大西宇宙飛行士は、先月に引き続き米国ヒューストンのNASAジョンソン宇宙センター(JSC)で国際宇宙ステーション(ISS)のロボットアームシステム(Mobile Servicing System: MSS)のスペシャリスト訓練を実施しました。
後半にあたる今月は、ロボットアームで宇宙船をキャプチャ(つかまえる)する訓練を集中的に行いました。
訓練では日本の宇宙ステーション補給船「こうのとり」(HTV)をモデルにしたシミュレータを用い、時にはシステムの不具合もシミュレートしながら、ロボットアームの操作担当者としてだけでなく、それを側でサポートする際の役割についても演練を重ねました。
通常、ロボットアームを操作する際には、急激な動きによるロボットアーム自体の振動を避けるために、ゆっくりと慎重に操作する必要があります。しかし「こうのとり」のキャプチャの場合、限られた時間の中でロボットアームを接近させることが必要になるため、大胆さと慎重さを適度にバランスさせることが重要になってきます。
大西宇宙飛行士は、約2mの距離から「こうのとり」をキャプチャするまでの操作を繰り返しシミュレータで練習することによって、キャプチャに必要なロボットアーム操作技術を身につけ、9月のカナダでの訓練から始まった一連のISSのロボットアームに関する訓練を修了しました。