金井宇宙飛行士は、7月末から8月上旬にかけて、筑波宇宙センター(TKSC)にて、「きぼう」日本実験棟に関わる訓練を行いました。訓練には、ほぼ同じ日程で、欧州宇宙機関(ESA)のサマンサ・クリストフォレティ宇宙飛行士も参加しました。
金井宇宙飛行士は、「きぼう」のシステム機器や「きぼう」に搭載されている実験装置について、講義を受けたほか、モックアップ(実物大の訓練施設)やシミュレータを使用した訓練を行いました。
「きぼう」のシステムに関しては、「きぼう」のシステム全体および実験装置の状態を監視・制御する監視制御系、国際宇宙ステーション(ISS)から供給される電力を「きぼう」内の機器に分配する電力系、各サブシステム間のデータ通信を行う通信制御系、「きぼう」の機器の温度を制御する熱制御系、宇宙飛行士が快適に活動できる温度・湿度の調整を行う環境制御系などのシステムの運用方法について学び、各システムに関わる技術・知識に加えて、システムの異常に対して適切に対処する技能を身に付け、オペレータとしての訓練を修了しました。
また、金井宇宙飛行士は、「きぼう」ロボットアームについての訓練も行いました。ロボットアームのシステムや操作卓の機能、カメラ操作、ロボットアーム先端のエンドエフェクタ(把持手)の把持/開放操作、冗長システムの運用方法、船外実験プラットフォームにロボットアームで船外装置を取り付ける運用など、ロボットアームの運用に必要となる一通りの知識や技術を習得しました。その他にも、「きぼう」のエアロックについて、構成する機器の機能や配置、船外機器を搬出する操作方法などについて訓練で学び、エアロックの運用に関する知識を深めました。
訓練の最後には、「きぼう」で行われている様々な科学実験について、画像データの取得や地上へダウンリンクするための接続、実験試料の交換方法など、実験装置を構成する機器についても訓練を通して学びました。