国際宇宙ステーション(ISS)の第32次/第33次長期滞在クルーである星出宇宙飛行士は、目前に迫るISS長期滞在に向けて、最終的な訓練を行っています。
5月上旬から中旬にかけて、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)で打上げ前最後となる米国での訓練を行い、5月末にはドイツへ移動し、欧州宇宙機関(ESA)の欧州宇宙飛行士センター(European Astronaut Centre: EAC)で、ESAの実験や装置に関する最終的な訓練を行いました。
JSCでは、無重量環境訓練施設のプールを使用した船外活動訓練や、シミュレータを使用したISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)の操作訓練を行いました。その他に、ISSの電力系統に異常が発生した場合の対応方法や、空気中のガスや微生物・水質・音環境・放射線レベルなどを測定する環境衛生システム、クルーに飲料水を提供する水供給装置などの使用方法やメンテナンス方法について再確認しました。訓練以外にも、ISS長期滞在中に実施する実験に関わる打ち合わせや、医学実験の一環で、軌道上で身体に起こる医学的な変化を調べるために、比較用のデータ取得なども行いました。
EACでは、ESAが実施する実験の手順確認や、医学実験用のデータ取得を行いました。星出宇宙飛行士は、ESAの「コロンバス」(欧州実験棟)に搭載されている機器のメンテナンス作業についても訓練を行ったほか、軌道上での作業をスムーズに行うために、コロンバスの管制官とミーティングを行い、コミュニケーションを深めました。また、星出宇宙飛行士滞在時に欧州補給機(Automated Transfer Vehicle: ATV)の分離が予定されていることから、ATV分離時のクルー作業についても確認しました。