野口宇宙飛行士は、12月6日から9日にかけてシンガポールで開催された第18回アジア太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF-18)に出席しました。
今回で18回目となったAPRSAFは、アジア太平洋地域の各国政府、宇宙機関関係者等が一堂に会し、宇宙開発利用に関する最新動向の情報交換、国際協力活動の実施に向けた議論等を行う場として、1993年より開催されています。
野口宇宙飛行士は、12月6日に、ジャパン・クリエイティブ・センター(JCC)とシンガポールサイエンスセンターにより開催されたトークイベント"JCC Astronaut's Talk: Reaching for the Stars"で、シンガポールの子供たちに国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在について語りました。
12月7日には、地球観測分科会において、"Astronaut Photography"と題した講演を行い、ISSに滞在する宇宙飛行士が実施している地球観測の活動について紹介しました。ISSから撮影した地球の画像は、科学者だけではなく、一般の人々にとっても価値あるものであることを述べ、宇宙飛行士にとっても地球観測はストレス低減につながり、心理的な側面からも有意義であることを語りました。講演では、ISSから撮影した地球の写真も紹介しました。
また、12月8日には、有人宇宙飛行50周年を記念して、宇宙飛行士会議(ASE)との共催でAPRSAF-18のサイドイベントとして行われた"Asians in Space"にも参加しました。
このイベントには、国連宇宙空間平和利用委員会(UNCOPUOS)のドゥミトール・プルナリウ議長(1981年、ソユーズ40号で飛行しサリュート6号に滞在)、カザフスタン宇宙庁(Kazcosmos)のタルガット・ムサバイエフ長官(ミール宇宙ステーションに2回、ISSにも1回滞在)、マレーシアのシェイク・ムザファ・シュコア宇宙飛行士(2007年、ソユーズTMA-11で飛行しISSに滞在)の3名の宇宙飛行士とともに参加しました。
それぞれの宇宙飛行士が、自らの宇宙飛行での体験や宇宙飛行を経験したことによる生活の変化・社会への還元をテーマに講演を行いました。また、アジア諸国の宇宙飛行士が団結して地域社会の未来・発展のためにできることをテーマに、パネルディスカッションを行いました。
シンガポールから帰国した野口宇宙飛行士は、12月17日に京都で行われた科学・技術フェスタ2011にも参加し、「地球と向き合った163日」をテーマに講演を行いました。