10月15日に開催された「平成23年度『宇宙の日』筑波宇宙センター特別公開」において、米国ヒューストンで訓練中の星出宇宙飛行士がライブ中継で生出演し、筑波宇宙センター(TKSC)宇宙実験棟の大会議室に集まった多くの来場者に対し、自身の活動状況、2度目となる宇宙飛行に向けた抱負や、宇宙飛行士になる前から勤務し、その後宇宙飛行士として訓練を重ねているTKSCでの思い出などを語りました。
また、「最も大変な訓練は何ですか」という来場者からの質問に対し、「肉体的に大変だったのはロシアでのサバイバル訓練です」との回答に加え、「別の意味で、30歳を過ぎてから新しい言語、ロシア語を習得するのはかなり大変だった」との意見を延べ、会場ではその回答に大きくうなずく光景が見られました。
会場に集まった方々からは、尿を飲料水などに再生する水再生システム(Water Recovery System: WRS)への関心が高く、科学的に高度な質問も集中しました。そして、「宇宙飛行士になるのが夢」と語る“将来の後輩宇宙飛行士”の子どもたちからは、「宇宙飛行士になるために大切な点は何か」、「宇宙で何をしたいか」などの質問が寄せられました。「どうして星出さんは宇宙飛行士に選ばれたと思いますか」という質問には、「自分も分からないので、選んでくれた人に聞いてください」と、はにかむ様子に会場は和やかな雰囲気に包まれました。
現在、星出宇宙飛行士は、国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在に向けた訓練を継続しています。10月は、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)にて、無重量環境訓練施設(Neutral Buoyancy Laboratory: NBL)のプールを使用した船外活動訓練や、筑波やヒューストンの管制官とともに宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)のISSへのランデブやISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)によるキャプチャ運用を模擬したシミュレーション訓練などを行いました。