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JAXA宇宙飛行士活動レポート 2010年9月

古川宇宙飛行士のISS長期滞在に向けた訓練

最終更新日:2010年10月29日

国際宇宙ステーション(ISS)の第28次/第29次長期滞在クルーである古川宇宙飛行士は、筑波宇宙センター(TKSC)にて、第26次/第27次長期滞在クルーのバックアップクルーとして、「きぼう」日本実験棟の運用や「きぼう」で行う実験、宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle: HTV)に関わる訓練を行いました。


写真:「きぼう」ロボットアームの操作訓練を行う古川宇宙飛行士(手前)とNASAのキャスリン・コールマン宇宙飛行士(奥)

「きぼう」ロボットアームの操作訓練を行う古川宇宙飛行士(手前)とNASAのキャスリン・コールマン宇宙飛行士(奥)(出典:JAXA)

「きぼう」の運用に関わる訓練では、「きぼう」運用管制チーム(JAXA Flight Control Team: JFCT)と連携して、「きぼう」ロボットアームで曝露実験ペイロードを移設する運用を模擬したシミュレーション訓練を行いました。そのほか、「きぼう」船内実験室内でのラックの設置方法や移設方法、軌道上で行う機器のメンテナンス作業について確認しました。

実験に関わる訓練では、温度勾配炉(Gradient Heating Furnace: GHF)の概要を学び、GHFで実施する「微小重力下におけるTLZ法による均一組成SiGe結晶育成の研究(Hicari)」について、研究代表者であるJAXA宇宙科学研究所の木下恭一主幹研究員から実験の概要について説明を受けました。また、GHFのモックアップ(実物大の訓練用模型)を使用して、軌道上でクルーが行う試料カートリッジの交換方法などの作業を確認しました。この軌道上作業の訓練の模様は、報道関係者らに公開されました。そのほか、多目的実験ラックの概要も学び、ラックの設定方法や起動方法について訓練を行いました。

HTVに関わる訓練では、軌道上でクルーが行う物資の移送作業や、火災・急減圧・空気汚染・漏電などの異常が起きた場合の対処方法について訓練を行いました。

TKSCでの訓練後、米国に戻り、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)では、HTVをISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)で把持する運用について、シミュレータを使用して訓練を行いました。長期滞在をともにするマイケル・フォッサム宇宙飛行士と訓練に臨み、古川宇宙飛行士は、手順書の確認や外部カメラの設定などを行い、SSRMSを操作するフォッサム宇宙飛行士を支援しました。

そのほか、人体研究(Human Research Facility: HRF)ラックに搭載された超音波検査装置を用いた検査の実技や、バーチャルリアリティ(VR)システムを使用した船外活動訓練などを行いました。

古川聡宇宙飛行士
JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

写真:HTVの把持に関わるSSRMSの操作をシミュレータ上で確認する古川(奥)、マイケル・フォッサム(手前)両宇宙飛行士

HTVの把持に関わるSSRMSの操作をシミュレータ上で確認する古川(奥)、マイケル・フォッサム(手前)両宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)


写真:超音波検査装置を用いた検査の実技を行う古川宇宙飛行士

超音波検査装置を用いた検査の実技を行う古川宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)


写真:VRシステムを使用した船外活動訓練を行う古川宇宙飛行士

VRシステムを使用した船外活動訓練を行う古川宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)

 
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