山崎宇宙飛行士が搭乗したSTS-131ミッションにおいて、JAXA宇宙飛行士は、さまざまな形で支援に加わりました。
若田宇宙飛行士は、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)にて取材中の日本人報道関係者向けに、山崎宇宙飛行士がミッション中に担当したロボットアーム操作について解説を行いました。国際宇宙ステーション(ISS)への物資補給がメインであるSTS-131ミッションにおける「レオナルド」(多目的補給モジュール1)取付け作業の重要性や、山崎宇宙飛行士の作業内容、ISS長期滞在クルーとしてISSに滞在する野口宇宙飛行士との連携作業などの詳細について説明しました。
STS-131ミッション中にアンモニアタンク(Ammonia Tank Assembly: ATA)を交換した際、ATAの加圧用窒素タンク(Nitrogen Tank Assembly: NTA)のバルブが閉じたまま開かなくなる問題が発生し、NASAでは、STS-131ミッションに第4回船外活動を追加してNTAを交換することが検討されました。JSCの無重量環境訓練施設(Neutral Buoyancy Laboratory: NBL)のプールを使用したNTAの交換手順の検証試験に、実際に宇宙でNTAを扱った経験のあるマイケル・フォッサム宇宙飛行士とともに、古川宇宙飛行士も参加しました。ふたりは、どの様な手順で交換作業を行うと効率が良いか、船外活動クルーの立場に立って検証にあたりました。
また、星出宇宙飛行士は、STS-131ミッションの間、NASAのミッション・コントロール・センター(Mission Control Center: MCC)にて、NASAの飛行管制官の一員としてスペースシャトルとの交信を担当するCAPCOM(Capsule Communicator)を務め、山崎宇宙飛行士らSTS-131クルーの活動を地上から支援しました。
STS-131ミッションでは宇宙と地上でのJAXA宇宙飛行士の活躍が光りました。軌道上では山崎宇宙飛行士がロボティクス操縦や物資移送責任者としての任務を確実に果たし、ISS長期滞在中の野口宇宙飛行士がISS組立て・物資補給作業をしっかりと支援してくれました。地上では星出宇宙飛行士がCAPCOMとして、また古川宇宙飛行士が船外活動手順開発を担当するなど、ミッション成功に寄与しており、ISS計画への日本人宇宙飛行士の大きな貢献を印象付けたミッションだったと思います。 |
|