国際宇宙ステーション(ISS)の第22次/第23次長期滞在クルーである野口宇宙飛行士は、ドイツにある欧州宇宙機関(ESA)の欧州宇宙飛行士センター(European Astronaut Centre: EAC)で、ESAのモジュールである「コロンバス」(欧州実験棟)に関わる訓練を行いました。
生物学実験ラック(Biolab)に関わる訓練では、実験サンプルを保存するための温度制御ユニット(Temperature Controlled Unit: TCU)の初期設定やグローブボックスのフィルタ交換作業について、流体科学実験ラック(Fluid Science Laboratory: FSL)に関わる訓練では、防震マウントの設置や実験画像を処理するビデオ管理装置(Video Management Unit: VMU)の操作について訓練を行いました。
ESAの実験に関わる訓練では、Biolabを使用して行うWAICOと呼ばれる、重力が植物の根の成長に与える影響を調べる実験の目的と内容を学び、クルーが実施する作業を確認しました。また、無重力での空間認識能力の影響評価に関する実験(3D-Space実験)の機器の操作訓練を行いました。その他、コンピュータを搭載したヘッドマウント式のWEAR(Wearable Augmented Reality)と呼ばれる機器の操作についても訓練を行いました。WEARはディスプレイを備えており、このディスプレイにクルーへの作業手順などを表示することができます。手順書を持つクルーの手を空けることにより、作業の効率化を目的としています。なお、今回の訓練は、ISS長期滞在前最後のESAでの訓練となりました。