JAXA宇宙飛行士活動レポート 2008年7月
最終更新日:2008年8月15日
JAXA宇宙飛行士の2008年7月の活動状況についてご紹介します。
集中医学訓練
山崎宇宙飛行士は、NASAの宇宙飛行士とともに、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)近郊の病院にて約1週間にわたる集中医学訓練を行いました。
この訓練は、軌道上で怪我や病気をしたときの処置について、講義のほか、病院で実地訓練を行い、医療技術を身につけるものです。
山崎宇宙飛行士は、医療スタッフの指導のもと、合意を得られた患者さんや、訓練参加メンバーを互いに被験者にするほか、マネキンを使用して、気道確保や静脈点滴注射、カテーテルの挿入、傷や熱傷への処置、眼の検査方法や歯科技術について学びました。
国際宇宙ステーション(ISS)滞在時やスペースシャトル飛行時に怪我や病気をした場合、地上のフライトサージャンに相談はできますが、処置は軌道上にいるクルー自らが行わなければならないため、多くの宇宙飛行士がこのような訓練を通し、医療技術を身につけます。
第18次長期滞在クルー固有訓練
氷の結晶成長実験に関わる講義を受ける若田(中央)、野口(手前)両宇宙飛行士
若田、野口両宇宙飛行士は、日本に一時帰国し、筑波宇宙センター(TKSC)にて、国際宇宙ステーション(ISS)の第18次長期滞在中に実施する「きぼう」日本実験棟に関わる運用について訓練を行いました。
訓練には、来日した第18次長期滞在クルーのマイケル・フィンク、サンドラ・マグナス両宇宙飛行士と、マグナス宇宙飛行士のバックアップクルーであるニコール・ストット宇宙飛行士が参加し、「きぼう」での実験や「きぼう」のシステムなどについて、シミュレータを使用した訓練や講義のほか、「きぼう」の運用管制チーム(JAXA Flight Control Team: JFCT)とともに、実際の運用を模擬したシミュレーション訓練などを行いました。
- ISS長期滞在
“ISS運用10周年記念”シンポジウム
ディスカッションの様子(左からふたり目が古川宇宙飛行士)
2008年7月9日から10日にかけて、フランスのパリにある国連教育科学文化機関(ユネスコ)本部にて、国際宇宙連盟(International Astronautical Federation: IAF)主催の“国際宇宙ステーション(ISS)運用10周年記念”シンポジウムが開催されました。
シンポジウム初日、古川宇宙飛行士は“ISSでの生活と仕事”と題するセッションにパネリストとして登壇し、各国の宇宙飛行士とともにディスカッションを行いました。
ディスカッションに参加する古川宇宙飛行士
ディスカッションの中で、古川宇宙飛行士は、各国の宇宙飛行士とのコミュニケーションについて、「さまざまな国の文化の相違について学び、理解することは、自分にとって大変興味深いものであり、かつ、宇宙飛行士として大切な訓練のひとつです。」と、国境を越えたコミュニケーションの興味深さ、大切さを語りました。また、「きぼう」で実験を行うにあたっては、「宇宙飛行士と科学者との間に、信頼関係を築いていきたいと思っています。また自分の一番の目的は、宇宙での実験の重要性を自分自身で理解して、それを国民の皆さんに伝えていくことです。」と、宇宙飛行士としての使命を語りました。
STS-124ミッション帰国報告会
つくばでのミッション報告会の様子
STS-124(1J)ミッションを終え、星出宇宙飛行士らSTS-124クルーは日本を訪れ、各地でSTS-124ミッションの報告会を行いました。
報告会では、コマンダーのマーク・ケリー宇宙飛行士によるクルーの紹介、星出宇宙飛行士によるミッションの解説が行われました。星出宇宙飛行士は、初めて行った宇宙のすばらしさを語り、子供たちへ向けて、「どんどん行ってほしい。」とエールを送りました。クルーへ質問する機会も設けられ、会場から多くの質問が寄せられました。宇宙へ行くという夢を叶えた星出宇宙飛行士は、「宇宙ステーションに長期滞在して色々実験をしたい。」、「その経験を踏まえて、月まで行きたい。」と、今後の夢を語りました。
- 星出彰彦宇宙飛行士帰国報告会開催レポート
- STS-124(1J)ミッションクルーミッション報告会開催レポート
- 報告会の様子や、会場から寄せられた質問と回答をご覧いただけます。
- 1Jミッション
「第26回JAXAタウンミーティング」in 出雲
タウンミーティングの様子
野口宇宙飛行士は、島根県出雲市の出雲科学館で開催された“飛び出せ宇宙へ!! from 出雲「第26回JAXAタウンミーティング」in 出雲”に参加し、「「きぼう」から始まる新たな宇宙活動」と題し、「きぼう」日本実験棟、国際宇宙ステーション(ISS)について解説し、会場に集まった方々と、JAXAの有人宇宙開発の展望や「きぼう」の利用などの有人宇宙活動について、活発な意見交換を行いました。また、野口宇宙飛行士は小学生、中学生たちとの記念交流会を実施しました。
- 第26回JAXAタウンミーティング開催報告
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