第18次長期滞在クルーとして国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する予定の若田宇宙飛行士とバックアップクルーを務める野口宇宙飛行士は、ガガーリン宇宙飛行士訓練センター(Gagarin Cosmonaut Training Center: GCTC)と黒海沿岸にてISS長期滞在に向けた訓練を行いました。
GCTCでは、ISSを構成するロシアモジュールの電力システム、火災検知・消火システム、姿勢制御・航法システムや、ソユーズ宇宙船の構造・装備や生命維持システムについて、運用能力の習得を目的に講義やシミュレータを使用した訓練を行いました。
また、黒海沿岸では水上サバイバル訓練を行いました。
水上サバイバル訓練とは、ソユーズ宇宙船の帰還モジュールが打上げ・帰還時に海上に不時着した場合を想定し、救助が到着するまでの間、水上で生存するための技術を習得するための訓練です。
今回の訓練では、ソユーズ宇宙船の帰還モジュールから海面へ脱出する技術やサバイバル技術などを習得しました。帰還モジュールから脱出する訓練では、打上げ・帰還時に着用する与圧服を着て帰還モジュールに乗り込んだ後、海上に浮かべた帰還モジュールの中で、脱出用の防水・防寒用の衣服に着替え、サバイバルキットを携帯してハッチから海面に飛び込む実技を行いました。また、緊急事態を想定し、帰還モジュール内で衣服は着替えず与圧服のままでフローティング装備(緊急用浮き袋)のみを装着して脱出する訓練も行いました。脱出後は、海上で救助を待つ間のフォーメーション(隊形)の組み方についても訓練を行いました。