JAXA宇宙飛行士活動レポート 2005年11月
JAXA宇宙飛行士の2005年11月の活動状況についてご紹介します。 無重量環境試験棟(WET)での船外活動訓練
古川宇宙飛行士は、若田宇宙飛行士やNASAのデイビット・ウルフ宇宙飛行士とともに、筑波宇宙センター(TKSC)の無重量環境試験棟(Weightless Environment Test Building: WET)にて船外活動訓練を行いました。この訓練は、水中用宇宙服を着用して水の浮力で無重量環境を模擬し、船外活動に関する技術的知識の修得および技能の維持、向上を目的として行われる訓練です。今回の訓練では、「きぼう」日本実験棟の組み立てに関する船外活動の訓練を行いました。
ミッションスペシャリスト(搭乗運用技術者:MS)候補者訓練古川、星出、山崎宇宙飛行士は、11月も引き続きスペースシャトルのミッションスペシャリスト候補者訓練を行いました。スペースシャトルシステム訓練やISS訓練、T-38ジェット練習機操縦訓練などを実施しました。 スペースシャトルシステム訓練スペースシャトルのシステムに関する講義のほかに、シミュレータを使用した不具合が発生したときの対応訓練(マルファンクション訓練)や、チームに分かれて各サブシステムの知識をもとに必要なタスクを行うという運用訓練が引き続き行われています。その他に、スペースシャトルの打上げ、帰還の運用を机上で確認するペーパシミュレーション(Paper SIM)が実施されました。 ISS訓練国際宇宙ステーション(ISS)の熱制御システム、環境制御システム、姿勢制御システム、Photo/TVシステム、ロボティクス/機構系システム、緊急時運用、ソユーズ概要、軌道上メンテナンスなどの各サブシステムに関する講義、実技の訓練を行いました。また、各サブシステムごとの最終評価試験が順次行われています。 無重量環境訓練施設(NBL)での船外活動手順開発試験
土井宇宙飛行士はNASAのスコット・パラジンスキー宇宙飛行士と共に、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)にある無重量環境訓練施設(Neutral Buoyancy Laboratory: NBL)でISSに関する船外活動手順の開発試験に参加しました。NBL内には、サッカー場程の大きさのプールがあり、プールの中にISSの実物大模型があります。水中用宇宙服を着用して、このプールの中で水の浮力を利用し、無重量環境を模擬します。今回の試験で、ふたりは実際の手順に沿ってISSのP6トラスに設置されているラジエータの交換を行う作業を実施し、作業やその手順、時間などの確認を行いました。 6自由度運動シミュレータを使用したOBSS開発試験
若田宇宙飛行士はジョンソン宇宙センター(JSC)にて、センサ付き検査用延長ブーム(Orbiter Boom Sensor System: OBSS)の開発試験の一環として、実際の宇宙服を着用して、6自由度運動シミュレータを使用し、ハードウェア試験を行いました。 若田宇宙飛行士はOBSSの開発初期段階から密接に関わってきています。このOBSSは、軌道上でスペースシャトルの損傷を検査するために使われ、ロボットアームのみでは検査できなかった範囲を検査できるようになり、野口宇宙飛行士が搭乗したSTS-114ミッションで活躍しました。 最終更新日:2005年12月27日
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