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基礎訓練レポート 2000年 2月

 今月は、ヨーロッパで受けた訓練、および筑波宇宙センターの無重量環境試験棟での船外活動訓練についてご紹介します。

欧州宇宙機関での訓練
 宇宙飛行士候補者は、約1週間にわたって欧州宇宙機関(ESA)で国際宇宙ステーション(ISS)のヨーロッパのモジュールの概要を理解するために、ESAの宇宙飛行士候補者2名と一緒に講義を受けました。
 ドイツにある欧州宇宙飛行士センター(EAC)ではESA概要について説明を受け、訓練設備などの見学を行い、ESAが開発するISSのコロンバスモジュール(COF)や実験ラックの概要について講義を受けました。オランダにある欧州宇宙技術センター(ESTEC)では、人工衛星の試験/組立設備などを見学し、ESAのISS利用に対する考え方などについて講義を受けました。ヨーロッパでの訓練を修了した後、ESAから候補者に訓練修了証が授与されました。
講義 (EAC) コロンバストレーナ(ESTEC) 訓練修了証授与


船外活動訓練
 候補者は、筑波宇宙センターの無重量環境試験棟で船外活動訓練を行いました。無重量環境試験棟は、直径が16m、深さ10.5mの水槽を備え、水の浮力を利用して宇宙空間の無重量環境を模擬できる施設です。この訓練の目的は、ISSや「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームでの装置交換などに必要となる、船外活動における基本動作を習得することです。
 候補者は、船外活動の歴史や宇宙服、船外活動用の道具、無重量環境試験設備、潜水生理学、宇宙服(*)の概要について昨年末講義を受けましたが、今回はそれに引き続き宇宙服(*)を着用して水中に入り、無重量環境を模擬した水中での移動方法、各種船外活動用の道具の操作、PFR(Portable Foot Restraint、船外活動宇宙飛行士の足を固定する足場)からの着脱、きぼう組立時に想定されている船外活動作業の一部を行いました。
 来日していた土井宇宙飛行士及び野口宇宙飛行士も今回の基礎訓練の一部に立ち会い、訓練中,候補生にアドバイスを伝授していました。
 この訓練は、実際の宇宙服と同じ条件に設定された宇宙服(*)を着て、しかも1回3時間におよぶ水中での訓練のため、とてもハードな訓練です。船外活動では、手を使って、宇宙飛行士の移動用にきぼうに取り付けられたハンドレール/ハンドホールド(取っ手)を掴みながら移動するのですが、候補者は初めての訓練のため、その作業だけでも最初は大変そうでした。しかし、すぐに慣れて水中でのいろいろな船外活動作業を上手に行えるようになりました。
* 水中で使用する宇宙服は、軌道上で使用する宇宙服の一部を水中用に改修したものです。

宇宙服の着用 昇降台より入水 船外活動訓練
船外活動訓練
(宇宙服の浮力調整をしたり、ケーブルの絡まりを防いだり、船外活動用の道具の準備をしたり、写真やビデオ撮影を行う、サポートダイバーも一緒に潜っています。)


 基礎訓練レポート3月分は4月上旬に掲載予定です。お楽しみに。



最終更新日:2000年 3月 23日

 
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