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スペシャルインタビュー 【槇村先生編】 vol.3


1992年春頃 米国留学中ラボでのスナップ

2009年2月 筑波宇宙センターにて
ソユーズとともに

ここで、研究の話から少し離れまして、なにかご趣味はおありですか。

「カビのことならいくらでも答えますけど、趣味は何かと聞かれると、非常に困るんですよね(笑)。 なぜかというと、私も昔は趣味があったと思うんですが、今はすべて仕事に統合されてしまっていて、遊びでやっているのか仕事でやっているのか、自分でもわからなくなっている、という困った状況でして(笑)。 カビは、まあ飯の種ではありますけど、見るのも、考えるのも、カビについて相談されるのも好きですね。 カビをやっているおかげで宇宙の仕事もできる、動物園に行ってコアラに生えたカビを調べることもできる。 よく、これは趣味ですか、仕事ですか、と聞かれるんですが、すごくつまらない答え方をすれば、仕事が趣味になっています。 そう考えると、私には生活と仕事しかないっていうことになって、ものすごく格好悪いですよね。 でも、そうなんです。 突き詰めていくと、すべてカビに行き着くことになっています」

さきほど、カビと対話するとおっしゃいましたけど、一日のうちでカビと対話する時間は長いんですか。

「最近忙しいので、あんまりカビを眺めている暇はないんですが、ついつい現実逃避でカビを見てしまいますね。 あれは楽しいですよ。 生きている瑞々しいカビをずうっと眺めていると、それがカビなのか自分なのかわからなくなってきますよ。 一体化する、という感じかな。 たとえば、麹カビをシャーレで増やしたとしましょう。 これを実体顕微鏡で見ると、そう、ちょうど森林の上をハンググライダーか何かで飛んでいるような感じなんです。 若い気中菌糸もあれば、年を取って完全にできあがった分生子頭もある。 そうやって見ていると、どんどん世代交代していることがわかって、生き物は生きているだけで美しい、ということが実感できますね」

楽しそうですね。 私もカビを見てみたくなりました。 最後の質問ですが、先生のお好きなカビは何でしょうか。

「好きなカビですか?! う〜ん、これは困りましたね(笑)。 身近なカビはどれも好きなので。 まあ、あえて挙げると、お風呂に生える黒カビのアルテルナリアなんか、意外に可愛いですよ。 あと、パンやお餅に生えるアスペルギルスもいい。 実体顕微鏡で見て、ほぼ分生子頭がわかりますからね。 あとは、クモノスカビの仲間とか、大きさは1ミリほどでかなり大型なんですが、丸い胞子嚢の形がなんとも美しい。 ほれぼれしますよ。 百聞は一見にしかずと言いますし、ぜひ皆さんにも実際にご自分の眼でカビの世界を見てほしいですね」



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