宇宙連詩

最終候補に残った作品

第4詩の公募で、最終候補に残った他の方々の作品です。ご応募ありがとうございました。




CHO-CHO, Na+NO-FAl+Na, and S+He+++!
A boy's daydreams in a fragrant field.
He may meet them again, on his interstellar trip---

Shinobu Tanahashi (age 69, USA)

CHO-CHO(ちょうちょ), Na+NO-FAl+Na(なのはな), そして S+He+++(あの人)!
花の香につつまれた畑で男の子が夢見たもの。
星間旅行のとき、彼はまたそれらに出会うかもしれない―――

田菜橋 忍(無職、69歳、アメリカ在住)

さばき手からのメッセージ:星間分子の分子式CHO-CHOを日本語の「蝶々」と読んでしまうユーモア


宇宙を静かに飛ぶ 粒々
それは 私の身体 茂る草木 優しい虫のこえ やすらぎ
粒々は 宇宙生まれの変幻自在 いつもそばにいるのです

白澤千明(大学生、21歳)

さばき手からのメッセージ:「私の身体」も「優しい虫のこえ」も「宇宙の粒々」なのですね


The fireworks guy milling his stars
infinitesimal particles intimately mixed and ground, chemical reactions restructuring chaos
industrial robots pale in the remaining wave spectrum

Rea Lehtonen(Translator, age 33, Finland)

花火師は星々を生み出している
小さな粒子たちはよく配合され、研磨され、化学反応が混沌を再構築する
波動の残像の中で工業用ロボットが青ざめている

レア・レトネン(翻訳家、33歳、フィンランド)

さばき手からのメッセージ:「花火師」と「ロボット」の対比がいい


地球の脈動は止まらない
枝々に広がり血の透ける まるであなたの心臓
穴だらけの漆黒にどこまでも心音を響かせる

木戸多美子

さばき手からのメッセージ:「地球」と「心臓」を類比させた勝利


After a full night of shooting stars,
in the old fountain of wishes
the last ripples are disappearing

Eduard TARA(Mathematics teacher,age 39, Romania)

流星のまる一夜の後
古い希望の泉のなかへ
最後のさざ波が消えていく

エドゥアード・タラ(数学教師、39歳、ルーマニア)

さばき手からのメッセージ:すばらしい詩です、やや暗いけれど


遠心力にあこがれる
私を中心にして回る世界が ひとつくらい ひと時くらい あってもいい
てぬぐいを忘れた日に限って 誰かの力の端っこで 涙と飛ばされてしまう

はっぷ(図書館職員、31歳)

さばき手からのメッセージ:なんといっても言葉が躍動しています


パステルカラーを並べ 描いてきたユートピア
フラミンゴは首を寄せ合い ハートを作るが
やすらぎは ひんやり暗い葉陰にこそ あるのかもしれない

Viola

さばき手からのメッセージ:作者は相当のテクニシャン


ピョンピョンピョーンと
星々を踏み石にして飛んでゆく
バッタのようにかろやかに

石川浩子(ヘルパー、51歳)

さばき手からのメッセージ:ユーモアあふれる発想です


このページのトップへ