実験の背景


図1 植物の細胞壁と重力

細胞壁を支えるように細胞膜と微小管がある。微小管に重力が加わったことを感知すると,核から様々な遺伝子が働くように指令が出て,結果的に細胞壁が強くなるように働く。

今から数億年前,海から陸にあがった植物たちが,重力に逆らって真っ直ぐ伸びるために発達させた「細胞壁」は,自分の体を支えるためになくてはならないものです。

では,重力の影響のほとんどない宇宙ステーションで細胞壁はどう変化するでしょうか。この実験では,細胞壁を支える細胞の内側のしくみに焦点をあてて,細胞壁の変化にせまっていこうとしています。

植物が自分の体を支えるとき,外側にある細胞壁がいくら頑丈でも,それを内部から支えないと植物はしっかりと育つことができません。その内側から支える構造はどうなっているのでしょうか?

植物の細胞には,細胞壁の内側に細胞膜があり,さらにその内側に微小管と呼ばれるタンパク質の管が張りめぐらされて,内張りするように支えています。たとえば,全天候型の野球場やプールなどのドーム状の建物の中には,大きな膜をフレームで支えているものがあります。このフレームにあたるのが微小管です(図1)。

つまり,植物では細胞壁と細胞膜と微小管,これらが連続体として全体で働いて,細胞壁を支えていると考えられるのです。

それでは重力がなくなると,それぞれの役割はどう変化し,結果的に細胞壁を支える全体の働きはどのようになっていくのでしょうか?

この実験では,それを遺伝子レベルから明らかにしようとしています。


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