スペースシャトルでのラット実験サンプルシェア研究テーマ選定結果 |
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ラットの速筋及び遅筋後肢筋の特性に及ぼす宇宙飛行の影響
提案者:大平 充宣
所属機関:大阪大学 健康体育部 体育科学系
研究目的
無重力環境暴露がラット骨格筋の特性に及ぼす影響を、速筋(前脛骨筋)と遅筋(長内転筋)で比較します。
研究方法・内容
筋肉は、瞬発的に収縮して大きな力を発揮できる速筋と、重力に抵抗して(抗重力的)持続的に活動できる遅筋から構成されています。宇宙飛行後および地上コントロールラットの前脛骨筋(速筋)と長内転筋(遅筋)で、筋重量、筋線維のタイプ及びサイズ、核の数、筋サイズ及びアポトーシス、衛星細胞数、各種酵素活性、ヒートショック蛋白質、及び各種遺伝子発現等を分析します。宇宙飛行に伴い筋肉に起こる変化のメカニズム解明が大きな目的ですので、それに大きな影響を及ぼす可能性の高い血漿中甲状腺ホルモン(T3およびT4)、カテコールアミン、テストステロンおよびそれと関連の深い睾丸中精子数なども分析します。宇宙飛行に対する生体の適応機構を明らかにしようとする場合、無重力環境曝露の他に宇宙放射線被曝の影響も考慮する必要がありますので、宇宙放射線の影響はないと考えられる地上で、後脚の筋肉の抗重力活動のみを抑制したグループと比較しながら検討する予定です。
期待される成果
本実験により、筋肉の可塑性メカニズムの解明に結びつく有意義な示唆が得られるものと期待されます。
最終更新日:2002年 2月 14日
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