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日本の画像伝送技術が、国際宇宙ステーション(ISS)の標準に

最終更新日:2010年3月31日
写真:表彰式の様子

表彰式の様子

JAXAが国際宇宙ステーション(ISS)に搭載した高精細ビデオ画像の伝送処理システム「マルチプロトコルコンバータ(Multi Protocol Converter: MPC)」に対して、その非常に優れた技術が評価され、開発チームがNASAからGroup Achievement Awardを受賞しました。

MPCは、JAXAが、有人宇宙システム株式会社/株式会社ビー・ユー・ジー社に委託し、開発した画像伝送処理システムです。このMPCが搭載されたことによって、国際宇宙ステーションからの高精細ビデオ画像を、①リアルタイムによる地上への伝送、②再生ダウンリンクによる地上への伝送(軌道上でテープに記録した画像の再生しながら伝送する方法:通信帯の空き時間に送ることができます)の両方において、小型軽量なMPCとJAXAが搭載化した民生品カメラをつなぐだけの簡単な動作で実現することができました。MPCは小型・軽量・省電力な機器となっており、宇宙で起こる放射線の影響に関しても、スイッチのオン・オフで簡単に復帰できる設計となっているため、宇宙飛行士からも設置、操作が簡単であるとの評判を得ています。

2007年10月27日に、MPCによるISS最初の地上伝送試験を行い、無事成功しました。この試験は、JAXAとNASAの協力のもとに実施され、ISSが「国際協力」の基になりたっていることを示す典型的な成功例となりました。この試験以降、ISSから600時間以上の高精細ビデオが地上に伝送されました。その画像の中には、日本の首相との生中継、ISS内の案内、ISSからのスペースシャトル画像、スペースシャトルからのISS周回画像等を含みます。

以上の成功を受け、MPCはISSのシステム機器としてNASAに高く評価され、正式なシステムとして組み込まれ、「きぼう」日本実験棟のみならず、米国や欧州の実験モジュールで使用されています。

さらには、MPCは、ISSからの高精細画像伝送だけでなく、ハッブルの修理ミッション(STS-125)でも使われ、修理風景を地上に高精細画像で伝送するのに役立ちました。

以上の成功を受け、NASAはJAXAから提供を受けたMPCを、現在、ISS及びスペースシャトルのシステム機器として活用しています。

ハイビジョン伝送システム(HDTV)
詳細情報 [PDF 2.48MB]

開発メーカからのコメント

NASAに認めて頂いた点と、開発に携わった物を現在進行形で使って頂けている点、この2点が開発に携わった者としては嬉しく思います。今回の受賞は関係各社/各員から多大な御協力を頂いた結果だと思っております。

有人宇宙システム株式会社 榎戸


「ISSで使う」私には想像しがたいものでしたが、JAXA、JAMSSの助言をお借りしつつ、「スマートに使える」を実現できました。

ISSからの映像を目にする機会も増え、MPCの開発に携われたことを誇りに感じています。

株式会社ビー・ユー・ジー 並松

 
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