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ジョンソン宇宙センター NASAステータスレポート #15 2000年2月18日(金)午前7時00分(米国中部標準時間) 2000年2月18日(金)午後10時00分(日本時間) 今朝の時点ですでに世界の半分以上について、これまでとは比較にならない程精密な地形データが、エンデバー号に無事収集されています。燃料節約対策がうまくいったお陰でクルーは9日間以上におよぶ予定の地球のレーダー観測を滞り無く続けています。 本日早朝、6回目の軌道制御(Flycast Maneuver)を実施しました。これは地球を精密に観測できるよう、シャトルの高度を233km付近に保つために穏やかにエンジンを噴射する制御です。本日の噴射はこれまで毎日行ってきたのものよりも僅かに大きなものとしました。こうすることにより、日曜日に予定していた噴射を中止して燃料を節約することができます。この次の軌道制御は土曜日のお昼頃の予定です。 これまでにエンデバー号のシャトル・レーダー・トポグラフィ・ミッション(SRTM)の機器は、予定している地域の83%、ほぼ4000万平方マイルを1回観測しています。これは南北アメリカ、アフリカ、オーストラリアを合わせたよりも広い面積です。予定地域の50%以上、2400万平方マイルが2回以上観測されています。エンデバー号は毎分4万平方マイルの面積を観測しており、これはアラスカ州を15分間で、またロードアイランド州を2秒以下で観測できる速さです。 軌道制御計画の変更の他にも、船外へ汚水を排出する方法を変更する、姿勢制御の規準を緩和する、あるいは一部の機器の使用を制限する等の燃料節約の方法を採用しています。このミッションの最初のころ、エンデバー号のペイロードベイ(貨物室)から伸展した60mのマストの先端に取り付けた小型のガスジェットの不具合が原因で、シャトルの姿勢制御用の燃料を予定よりも多く消費することになってしまいました。木曜日に管制官達は、マスト先端の小型窒素ガス噴射装置は、再びある程度の推力を発生しているようであり、これによりシャトルの燃料消費量は軽減されるであろう、と述べています。 レーダーによる地球観測が続く中、エンデバー号の窓に取り付けられた中高生が操作することのできるカメラによる撮影も、記録を伸ばしています。これまでのところ、このアースカムと呼ばれる実験は約1400枚の地球の写真を生徒達に送ってきています。過去の4回のシャトルミッションでのアースカムの写真の合計枚数は約2000枚でした。 エンデバー号のクルーは2シフト(グループ)で24時間働いています。パイロットのドミニク・ゴーリィ、ミッションスペシャリストのジャニス・ヴォスと毛利宇宙飛行士のブルーチームは、現在任務に就いています。ヴォス、毛利両宇宙飛行士は今朝、レーダー観測に使用している高速データレコーダーと高精細度テレビ(HDTV)カメラをテレビで紹介しました。 高速データレコーダーは、レーダー観測データを記録するのに高密度テープを使用します。約270巻のテープにCD約13500枚分に相当するデータを記録します。このデータを元に、今日の如何なる地図よりも遙かに高精度の地図が、地球の大半の地域について作成されるのです。また、エンデバー号に搭載された高精細度テレビのカムコーダー(VTR一体型カメラ)は、NASAによる高精細度テレビ利用に向けた第一歩です。 コマンダーのケビン・クレーゲルと、ジャネット・カヴァンディ、ゲルハルト・ティエルの両ミッションスペシャリストは睡眠中であり、米国中部標準時間2月18日午前10時14分(日本時間2月19日午前1時14分)に起床の予定です。クルー全員は、本日午前11時59分(同2月19日午前2時59分)から記者会見に臨み、NASAセンターからの米国と日本の記者の質問に答える予定です。これに続いて、ティエル、クレーゲル、カヴァンディ、それにヴォスの4宇宙飛行士は、エーデルガート・ブールマンドイツ研究相の交信に臨む予定です。 エンデバー号は順調に運行しています。 この次のステータスレポートは米国中部標準時間2月18日午後6時(同2月19日午前9時)、または何かイベントが生じたときに発行する予定です。 出典:NASA/JSC MCC Status Report http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/sts99/STS-99-15.html
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