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NASDAデイリーレポート

2月 20日(日) 飛行 9日目
毛利宇宙飛行士
とゴーリーパイロット
SRTM生成画像(速報版)

ハワイの3島

 現在、スペースシャトルは順調に飛行を続けており、地形データは予定通り順調に取得されています。スペースシャトルは1分間に約10万平方キロメートルの面積(東京都の約47倍に相当)にわたる地形データを取得しています。すでに、目標としている地域の92%、約1億2000万平方キロメートルの観測を終了しました。今回の飛行で得られたデータを解析して作成される立体地形図は、これまでにある最高のものよりもさらに30倍も精密な地形図になります。速報用にスペースシャトルからおりてくる、解像度の低い地形データを解析して得られる地形図でさえ、これまで最高の地図にも見られなかった地形が認識できると、科学者達は喜んでいます。
 EarthKAMではすでに2018枚の写真を撮影しています。過去4回で撮影された枚数をすでに越えています。

 軌道修正時のマストの振動を最小に押さえるための「フライキャスト・マヌーバ」と呼ばれる軌道修正噴射は、米国中部標準時間2月19日午後2時36分(日本時間2月20日午前5時36分)に7回目の噴射を実施し、所定の軌道修正を問題なく完了しました。
 なお、マストの姿勢を維持するためにマストの先端に取り付けられた窒素ガス・スラスタの不具合については、オービタのスラスタを代用しています。

本日の毛利宇宙飛行士
 毛利宇宙飛行士が属するブルーチームは、2月19日午後10時14分(同2月20日午後1時14分)に起床し、飛行9日目の作業を開始します。
 毛利宇宙飛行士はSRTMで取得したデータを記録する高速データレコーダの主担当であり、観測データが途切れないよう随時、装置の状況をチェックし、SRTMのデータを記録している高速データレコーダのテープを交換します。また、自転車漕ぎなど日課のエクササイズを1時間半ほど行います。
 ブルーチームは、2月20日午後3時44分(同2月21日午前6時44分)に就寝する予定です。

熱交換機の説明を行う毛利宇宙飛行士

 2月19日午前8時35分(同2月19日午後11時35分)より、毛利宇宙飛行士が熱交換機の評価試験について、説明している映像が届きました。(ビデオライブラリNo.18

毛利:STS-99ブルーチームへようこそ。私達は、今ちょうどバハマ、フロリダの南の上空を飛んでおり、それらは非常に美しいです。
 本ミッションは世界の立体地形図を作ることを目的としていますが、小さいペイロードも搭載しています。そのペイロードについて紹介したいと思います。
 よく聞かれる質問の一つに、宇宙でアイスクリームを食べられるかという質問があります。皆さんは、私達がスペースシャトルでアイスクリームを食べられないと知って驚くこととなります。なぜなら、スペースシャトルでは電力が非常に限られており、それら限られた電力を冷蔵庫に入れられているような日常の食べ物にさくことはできないのです。
 スペースシャトルにおいて、私達はアイスクリームを食べることはできません。
しかし、私達宇宙飛行士はスペースシャトルでアイスクリームを食べたいと思っています。そういった宇宙飛行士の夢を現実とするために、宇宙の真空という環境を利用することによって可能になります。
 スペースシャトルの外は真空です。飲み水をスペースシャトルの外に出すと、それらはすぐに気化し、不活性化します。別の言葉で言うと、気化熱が発生することによって、周りの熱を奪います。よって、真空と気化という2つのコンビネーションによって、アイスクリームをスペースシャトルで凍らせておくことが可能になるのです。
 これが私が宇宙で実施している実験です。主要な実験以外の実験を、私達は開発試験ミッションや健康管理技術開発および教育目的のミッションと言っています。
 私が実施している実験と実験装置をお見せします。メタル管はバキュームチューブに接合され、それらはスペースシャトルの外にある廃棄物収集システムの真空ポートを通じて外に出されます。メタル管の中には、水と材料が注がれます。私達はいくつかの材料を本実験で使用します。効率よくこれら実験を実施するためには、冷蔵庫に関連した新規の技術を使います。それがまさに私が本実験でやっていることです。私達はゼリーを実験材料として使います。なぜなら、ゼリーの温度を調整するのが非常に簡単なことに加えて、私はゼリーが大好きだからです。
 温度はゼリーの状態を見ることでもある程度わかりますが、メタル管の表面につけられた温度指標を見ることによって計測されます。現時点で、3つの実験を終了しており、実験開始から3.5時間後の時点で13.8℃を記録しています。これはゼリーにとって好ましい温度です。
 本実験の目的は、コスト的に安く、エネルギーの消費のない新種の冷蔵庫を将来の宇宙での利用に向けて開発することにあります。そして最も重要なこととして、宇宙飛行士を喜ばせることにあります。いつかは、あなたも月や火星のコロニーにおいて、このミッションで開発された冷蔵庫を使っているかもしれません。ここに3つあるゼリーの内の1つはパイロット用、1つはペイロードコマンダー用、そして最後の1つは私用です。

本日の毛利宇宙飛行士の食事(予定)
朝食 昼食 夕食
乾燥桃(IM)
メキシカンスクランブルエッグ(R)
レーズン入りオートミール(R)
ロールパン(FF)
グレープジュース(B)×2
ツナサラダ(T)
トルティーヤ(FF)×2
西洋ナシ(T)
リンゴ(FF)
レモネード(B)×2
スイート&サワーチキン(R)
ポテトグラタン(R)
イタリアンサラダ(R)
バタースカッチプリン
日本茶(FF)
ストロベリージュース(B)
出典:http://spaceflight.nasa.gov/shuttle/archives/sts-99/crew/menumohri9.html

I:放射線照射殺菌済み IM:半乾燥状態 R:(温)水を加えて調理する NF:自然状態でパック B:飲み物 FF:生鮮 T:加熱

ウェイクアップコール*

 毛利宇宙飛行士のブルーチームのクルーはFrankie Laineの「Rawhide」により目覚めて本日の活動を開始しました。2月18日からヒューストンの一大イベントである「Houston Livestock Show and Rodeo」が始まったのにちなんで選曲されました。

*ウェイクアップコール
 このウェイクアップコールは長年続けられている恒例の習慣です。ミッション期間中毎日、クルーはNASAが用意した様々な音楽で目覚めます。曲はクルーにちなんだものが選ばれています。

出典:http://spaceflight.nasa.gov/gallery/audio/shuttle/sts-99/html/ndexpage.html


最終更新日:2000年 2月 20日

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