打上げ後 毛利彰子夫人の会見
2000年 2月11日(金)13:35〜13:45(米国東部標準時間)
2000年 2月12日(金) 3:35〜 3:45(日本時間)
於:NASA/KSCプレスサイトスタンド前
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会見の様子 |
スペースシャトルエンデバー号の打上げ後に、ケネディー宇宙センターでは、毛利彰子夫人の会見が行われ、彰子夫人の挨拶の後、質疑応答が行われました。
彰子夫人の挨拶:
今日は晴天の中、とても美しい打上げを見ることができて、とても良い日となりました。本当に皆様、打上げに向けて長い間ご支援下さいまして有難うございます。
質疑応答:
Q:毛利さんといつ最後に言葉をかわしましたか?
A:隔離棟で他の伴侶とともに毎日食事をともにしていたので、その時に話しました。
Q:先週の打上げが延期されたことについて毛利さんは何とおっしゃっていましたか?
A:かえって落ち着いてリラックスしているようです。打上げに向けて、自分を見つめ直す時間ができたということで静かに打上げに望んでいます。
Q:前回と今回の違いは?
A:前回は日本人としては初めてということで、全てが感動的で、その感動を受け止めるだけで精一杯でした。今回は、静かに打上げを迎えられたように思います。8年前は子供たちも小さかったのですが、今は息子たちも大きくなり、夫の状況を理解し、落ち着いて観察できるようになりました。
Q:家族の絆をどのように維持したのか?
A:二人の息子が日本におりますが、これは息子が自分たちで選択したもの。端から見ると、息子たちが学校の寮生活を送り、休日は家族で過ごしてと非常に理想的とも写るようですが、母としては、息子と離れて暮らすということでつらい思いもありました。とはいえ、息子たちは寮生活を楽しんでいるようです。
Q:打上げの瞬間はどのような思いでしたか?
A:打上げの瞬間は、すごい振動があり、とても感動しました。早く宇宙にいってもらいたいと思いました。
Q:毛利さんは「宇宙に出張に行ってきます」と言っていましたが、同じ気持ちですか?
A:そうですね。前回の飛行を生かした、よい仕事をしてもらいたいと思います。
Q:2回目ということで気楽になるのでしょうか?
A:逆に一度飛行して知っている分、色々なことをしなければと思うようです。
Q:今回どのような点で頑張ってほしいと思いますか?
A:今回は地球を見て観測を行うということで、日本人に対するメッセージを前回以上に伝えられると思います。宇宙に行ったものとしての意見を伝えられるのではないかと思います。
Q:打上げ時のVIP席の様子は?
A:他のクルーの伴侶や親族と一緒だったので、クルーの親族同士でピクニックをしているような気持ちで、感動的に打上げを迎えました。
Q:拍手喝采はいつ起こったのですか?
A:固体ロケットブースターが切り離された後です。それまでは、皆、静かに見守っていました。その後、外部燃料タンクが切り離されて、宇宙に行ったのだなと思いました。
Q:毛利さんが48歳でMSとなり、50過ぎて2度目の宇宙に行ったことについて一言。
A:言葉以上に大変です。体の調子を整えたり、訓練の内容を理解して、皆についていくということは本当に大変であったと思います。とても意志のいることで、尊敬したいと思います。休みは、ほとんど勉強をしていたので、学生のような厳しい生活を送っていました。家族とはほとんど出かけていません。
Q:帰ってきたら何と言いますか?
A:テープの交換など、一瞬足りとも気を抜けない11日間を送っていると思うので、
11日間いい仕事をして帰ってくる夫に対して、ご苦労様といいたいです。
Q:奥様は11日間、どのように過ごされるのですか?
A:今日、ヒューストンに帰って、それからは、ミッションの間、NASAチャンネルで見守っています。
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記者の質問に答える彰子夫人 |
Q:「行ってくるよ」という時に、どのような言葉を言ったのですか?
A:「今まで本当に有難う。」と昨日、ランチを食べた時に言っておりました。
Q:息子さんは、打ちあがった後何か言っていましたか?
A:高校生ですので黙っていました。
Q:毛利さんは、ミッションの後、地球や日本について考える場を持ちたいとおっしゃっていますが、具体的な構想について何かおっしゃっていましたか?
A:具体的には分からないですが、前回のミッションでは宇宙授業を行っていましたし、今回はEarthKAMという青少年が参加するプログラムがあります。これからは、小学生、中学生、高校生や同じ50代の人達を対象に、色んな形で色んな人と色んな対話を行おうと思っていると思います。
Q:打上げまでの8年は長かったですか?
A:今思えば短いのですが、子供と離れて暮らすなど、その時々には様々な決断があったと思います。
Q:3回目飛ぶといったらどうしますか?
A:夫にそういう気持ちがあれば、夫を応援したいと思います。
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