1999年10月初め、NASAはSTS-99の打上げ目標日を2000年1月13日と決定しました。最初の予定より約4ヶ月も遅れることとなってしまいましたが、クレーゲル船長以下STS-99のクルーは、この時間を無駄にしないで少しでも自分たちの腕を磨こうと日夜訓練に励んでいます。
姿勢及び軌道決定用電子機器の操作訓練
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NASAのインストラクタと共にAODAの操作訓練を行う毛利宇宙飛行士 |
10月12日、毛利宇宙飛行士は姿勢及び軌道決定用の電子機器(Attitude and Orbit Determination Avionics:
AODA)の操作訓練を行いました。AODAは、60mのマストの先端に取付けられる船外アンテナの位置を厳密に維持しながら、そのかすかな動きを正確に記録するための装置です。記録した情報はミッション後のデータ解析に使用します。
クルーはこの装置をスペースシャトルの船内から特別なプログラムを搭載したラップトップコンピュータを通じて操作します。毛利宇宙飛行士はこれまですでに何度もこの装置の操作訓練を行ってきていますが、習熟度を維持しさらに向上させるため、軌道上での様々な不具合を想定し、時にはインストラクタと議論しながら訓練を進めました。
高精細度テレビカメラ訓練
STS-99では高精細度テレビ(HDTV)カメラを用いた実験が予定されています。HDTVカメラは、STS-99ミッションでNASAとNASDAの共同実験としてスペースシャトルから地球の映像を撮影し、東海大学の坂田教授を代表研究者とする日本の研究者による地球観測の研究に使用されます。HDTVカメラは従来のテレビカメラでは捉えることの出来なかった非常に鮮明かつ詳細な映像を撮影することが出来るため、従来は実現し得なかった地球観測の新たな可能性を拓く手段として期待されています。10月19日、毛利宇宙飛行士はこのカメラ操作の技量を維持しさらに向上するためのリフレッシャ訓練を行いました。チェックリストに従って、カメラの組立、調整、セッティング、そして不具合が起きたときの処置手順をひととおりおさらいした後、実際に撮影を行いました。
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HDTVカメラ操作訓練
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HDTVカメラでの撮影
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最終更新日:1999年 11月10日
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