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EVA準備訓練 1999年6月14日、NASAジョンソン宇宙センターにあるスペースシャトルのモックアップ(実物大模型)を使って、EVA(船外活動)準備訓練を行いました。STS-99ミッションでは、60mの細長いマストをシャトルの外へ展開しますが、これが途中で止まってしまった場合には、毛利宇宙飛行士の同僚のカバンディ宇宙飛行士とティーレ宇宙飛行士がEVAを行い修理します。 今回のミッションはダブルシフトといって、6人のクルーが2組に分かれ、1つの組が起きているときにもう1つの組が寝ています。通常はEVAを行う宇宙飛行士がEVAの準備を行いますが、このような計画外のEVAでは時間を効率的に使うために、カバンディ宇宙飛行士とティーレ宇宙飛行士が寝ている間に、毛利宇宙飛行士とゴーリー宇宙飛行士の二人がEVAの準備を行うことが想定されます。 この日毛利宇宙飛行士は、EVAに使う様々な道具を準備し、宇宙服のリーク(漏れ)チェックをし、EVA中に宇宙飛行士が飲む飲み水の準備をしたり、ヘルメットのバイザーに曇り止めを塗ったりといったEVA準備の訓練を行いました。これでEVAを行う二人も安心です。 ミッションシーケンステスト 6月19日土曜日、6人のSTS-99クルーは休日返上で米国フロリダ州NASAケネディ宇宙センターで行われたSRTMのミッションシーケンステストに参加しました。 ミッションシーケンステストというのは、SRTMのレーダアンテナやそれを操作するコンピュータ、データを記録する記録装置などをつなげ、実際に軌道上で行われる手順を模擬してこれらを操作し、それぞれの装置とお互いの接続に問題がないかを確認するものです。 クルーにとっても実際に飛行する装置(フライトハードウエア)を操作することができる数少ないチャンスです(普段、訓練に使う装置は実物とほぼ同じに出来ていますが、実物ではありません)。毛利宇宙飛行士も他の仲間と共に、実際に軌道上で操作するコンピュータの操作や、記録装置のテープ交換、そして、記録装置自体が故障したことを想定して、装置の交換作業(インフライトメンテナンス)を行いました。
エントリー訓練 STS-99ミッションにおける毛利宇宙飛行士の役割のひとつとして、シャトルエントリー(帰還)時のコマンダとパイロットの補佐を努めます。これは、シャトルが地球に帰還する際に、フライトデッキの後部座席に座って、コマンダとパイロットの操作が手順書通りに間違いなく行われているかを逐一確認し、必要に応じてコマンダとパイロットと航空機関士を務めるMS2を補佐する重要な役割です。 6月24日、NASAジョンソン宇宙センターのフライトシミュレータを使って、このエントリー訓練が行われました。このような地上のシミュレータでの訓練では、わざとシャトルが故障した状態を作り出し、クルーがそれにうまく対処出来るように訓練します。クルーは想定されるあらゆる事態に即座に対応しなければなりませんから、集中力、記憶力、そして判断力を要求される厳しい訓練です。この訓練は打ち上げ直前まで続けられます。 次回訓練レポートは7月下旬に更新する予定です。
最終更新日:1999年 7月 8日
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