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毛利宇宙飛行士が搭乗するスペースシャトルミッションSTS-99において実施されるEarthKAM教育プログラムには、初めて日本の学校4校が参加しています。このうちの一校である茨城県つくば市の茗溪(めいけい)学園中学校の活動状況を紹介いたします。 茗溪学園中学校は全校662人の学校です。大竹先生を中心に中学2〜3年生の有志約30名がミッション期間中のオペレーションに参加しています。また、取得された写真は中学1,2年の地理や地学の授業で活用されるそうです。 当初の打上げ予定日が昨年の1999年9月16日だったこともあり、生徒さん達は昨年の8月から準備を重ねてきました。 取材当日は、生徒さん達は地図係、シャトル軌道状況の確認係などいくつかの班に分かれ、活気あふれるなかオペレーションを行っていました。2月14日の活動の様子を紹介いたします。 1.写真撮影希望地点の選択
まず、シャトルの軌道直下によい撮影ポイントがないか候補地を探します。 2.撮影可能か調査 候補地の緯度経度を調べ、カメラの撮影範囲に入っているかどうか、また撮影時に夜になっていないかカリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)のEarthKAMホームページで調べます。夜だと真っ暗な写真になってしまうためです。(ただし、光害問題を調査したい場合は除きます。)
3.撮影のリクエスト
4.シャトルへのコマンド送信 UCSDはEarthKAMに参加する全学校から送られてくるリクエストをとりまとめて、軌道パス毎にジョンソン宇宙センターを中継して飛行中のシャトルにコマンドを送信します。 5.写真撮影および画像伝送 コマンド送信を受けて、シャトルのカメラは撮影場所を順次撮影します。写真撮影は昼の間におこなわれ夜の間に撮影した画像は地上に送られます。なお、シャトルは約90分で地球を一周しますから、およそ45分ずつ昼と夜がきます。撮影の2〜3時間後にはUCSDのホームページで写真を見ることができます。
熱心にオペレーションを行う生徒達に難しいところはどこですかと質問したところ、「スペースシャトルの軌道が限られているため、よいポイントを探すのが大変でした。」と答えていました。また、リクエストした写真を実際に見てどう思いましたかとの質問に 「写真を見るまでは、写真がもっとぼやけていたり、雲が多いと思ったけど、きれいに撮れていると思いました。」や「リクエストした写真が送られてきたのを見て、こういう風に写るのだと思いました。また、その写真を自分が撮ったように思え、宇宙が近く感じられました。」と答えていました。 最後に、EarthKAMへの参加について中村教頭先生にお話を伺ったところ「間接的に宇宙と交信するともいえ、これを経験した生徒達は今後も宇宙に関心を持ち続けるのではないでしょうか。」とおっしゃっていました。また、生徒にEarthKAMを指導している大竹先生は「EarthKAMは英語や地理などの総合的な知識が付き、また問題解決能力を育成するとてもよい機会です。生徒も刺激になったと思います。」とお話しいただきました。 * EarthKAM教育プログラム: 中学生が中心となり、スペースシャトルに搭載された電子カメラをリモート操作することにより、地球を撮影し、その写真を活用して理科・社会科の諸テーマで研究を行う教育プログラム。NASA、カリフォルニア大学サンディエゴ校などが協力し、実施。 最終更新日:2000年 2月 14日 |