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NASAステータスレポート

STS-90NASAステータスレポート#32
1998年5月2日5:00pm CDT:米国中部夏時間 (5月3日7:00am日本時間)

 コロンビア号の7人のクルーは、本日で軌道上における全ての実験を終え、日曜日に予定されているケネディ宇宙センターへの帰還の準備を行いました。

 サイエンスクルーのリック・リネハンとデイブ・ウイリアムスの両MSジェイ・バッキーとジム・パウェルツィクの両PSは、今朝、最後の実験である前庭系の適応過程に関する実験を済ませ、船内の収納作業に取りかかりました。

 明日の地球帰還の準備作業として、リック・シーアフォス船長、パイロットのスコット・アルトマン、およびケイ・ハイアMSはシャトルの軌道・姿勢制御システムの噴射試験と操舵面のテストを行いました。操舵面の点検には、油圧式の補助動力装置であるAPU(Auxiliary Power Unit)のNo.3の起動確認を行い、油圧系がうまく動作するかどうか、2週間にもわたる宇宙飛行ですっかり凍りついた冷却装置が働くかどうかの2点が調べられました。

 このAPUはシャトル内に3個ありますが、残念ながらNo.3の冷却装置は期待通りには機能しませんでした。なお、噴射試験については問題なく成功しました。 このAPU No.3の冷却装置の不具合は、明日のコロンビア号の帰還に影響を与えるものではなく、APUの操作に若干の変更の加えられることが、帰還フライトディレクターであるジョン・シャノンから報告されました。まず通常の軌道離脱操作から、第1のAPU(No.1)が軌道離脱噴射の5分前から起動されます。大気圏突入の13分前、APUは残り2つありますが、この内の一つ(No.2)を起動します。APU No.3は着陸の6分前、コロンビア号がマッハ2.5の速度に減速したときから起動されます。APUは、冷却が必要になる程加熱するまで10〜12分かかることから、その前に無事、着陸できることになります。

 今朝、リック・シアフォース船長は、約70パウンドの廃水を見事に非常用廃水コンテナ(CWC)内へ移しました。この操作により、万一、悪天候のために予定より2日間帰還が遅れても、廃水タンクの容量は十分保証されることになります。

 ペイロードコマンダーのリック リネハンMSは、ラットに水の補給と、その他の日常的な介護作業を行い、その後、スペースラブモジュールの一部を停止しました。最終的なスペースラブの停止は明朝行われる予定です。コロンビア号のKUバンド通信アンテナも、午前11時頃に収納されました。

 日曜日のコロンビア号の着陸時間は、2つの機会が考えれています。1つは、10:11a.m.(米国中部時間)に軌道離脱噴射を行い、11:09a.m.に着陸するスケジュールです。もう1つは前述のスケジュールが先送りにされると地上管制官の指示により11:44a.m.に軌道離脱噴射、12:43a.m.に着陸となるスケジュールです。天気予報では当日のケネディ宇宙センター付近の天候は晴天とのことで、唯一の着陸に影響する要因としては強い横風が考えられますが、これも着陸可能範囲だということです。

 月曜には、ケネディ宇宙センターの天候は、曇りや雨になることが予報されています。第2着陸候補地であるカリフォルニアのエドワーズ空軍基地の天気は、火曜日まで良好とのことです。


Last Updated : 1998. 5. 3


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