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NASAステータスレポート

STS-90NASAステータスレポート#29
1998年5月1日6:00am CDT:米国中部夏時間 (5月1日8:00pm日本時間)

 コロンビア号の宇宙飛行士は、米国中部時間の今朝3時55分に起床しました。今日から、宇宙の微小重力環境下での脳・神経系の適応に関する研究の第3週目が始まります。

 地上の飛行管制官は、コロンビア号の汚水排出ライン詰まりの解決策について、昨日に引き続き夜通し検討を行いました。昨日、リック・シアフォース船長とパイロットのスコット・アルトマンは、詰まったフィルターをバイパスして予備のフィルターへホースでつなぎ、汚水を船外へ排水しました。しかし、未だに詰まった部分が残っています。

 本日、コロンビア号のサイエンスクルーは、幼若なラットを用いた動きの巧みさの発達に関する実験、仔ラットの解剖、およびボールキャッチの実験を実施する予定です。リック・リネハンとデイブ・ウイリアムスの両MS、およびジム・パウェルツィクPSの3人が仔ラットの解剖を行います。動きの巧みさの発達に関する実験は、色々な形状の表面を持つ特別にデザインされた装置の中をラットが歩いたり、登ったりしている時に、装置を傾けたり、回転させたりして、ラットの反応を観察します。その後、4名のサイエンスクルー全員によって、ボールキャッチの実験が繰り返し行われる予定です。この実験は、中枢神経系が宇宙での新しい刺激を受容し、適応していく能力について研究するものです。宇宙飛行士達は、ミッション期間の様々な時期にこのテストを実施しているので、研究者は微小重力環境へ宇宙飛行士の身体が適応していく過程を比較することが出来ます。

 ミッションスペシャリストのケイ・ハイアは、ヒトの腎臓と骨髄の細胞を3次元的に培養していたバイオリアクター実証試験システムを停止させます。午後には、ハイアはアラバマ州モービルのWALA-TVおよび同州の新聞記者からインタビューを受ける予定です。このイベントは、米国中部時間午後2時9分からNASA-TVで放映されます。

 ケイ・ハイア、リック・シーアフォス船長、およびパイロットのスコット・アルトマンは、日曜日に予定されているケネディ宇宙センターへの着陸の準備として、再度小型の着陸操作訓練装置(PILOT)を用いて、操縦技量の維持向上を図ります。このPILOTは、ラップトップコンピュータとジョイスティックスから構成されており長期に及んだ本ミッション後の安全な帰還に必要な大気圏突入、および着陸技術を維持するのに役立ちます。

 アルトマンは、コオロギを飼育している植物実験用育成器(BOTEX)の、空気を入れ替える予定です。この実験では、いろいろな発育段階にあるコオロギを用い、神経系の発達段階における環境刺激の重要性、および重力などの外部刺激の影響に関する知見を得ることが出来ます。またリネハン、シアフォース、ハイアの3人は、日課となっているラットの世話を行う予定です。

 コロンビア号は日曜日の米国中部時間11時9分にケネディー宇宙センターへの着陸が予定されていますが、天気予報では当日の天候は良好とのことです。

 コロンビア号は高度153×133海里の楕円軌道上を90分周期で周回しています。


Last Updated : 1998. 5. 1


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