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NASAステータスレポート

STS-90NASAステータスレポート#26
1998年4月29日6:00pm CDT:米国中部夏時間(4月30日8:00am日本時間)

 血圧調節機能を調べる実験の途中で、コロンビア号のクルーは彼らの行ってきた科学実験についての短いビデオ放送を流してくれました。

 パイロットのスコット・アルトマンは、微小重力下における平衡感覚機能を評価するのに使用された回転椅子の説明をしてくれました。また、回転椅子の外部にカメラを取り付けて実際に回転させ、クルー達が如何に高速で回転していたかをデモンストレーションしてくれました。

 4人のサイエンスクルー(リック・リネハンとデイブ・ウイリアムスの両MS、ジェイ・バッキー、ジム・パウェルツィクの両PS)は、微小重力環境下における神経系の適応過程を検討する実験の一環として、自律神経系機能についての様々な実験を行いました。

 日曜日の実験と同様に、クルーは血圧調整に関する3種類の実験について被験者と実験者を交代しながら実施しました。ジェイ・バッキーは、6匹の生後15日の仔ラットに麻酔をかけ、蛍光の細胞染色剤を後脚の2種類の筋肉に注射をしました。この実験により、重力環境下で歩行することのない無重量環境で、体重を支える筋肉が正常に発達するか否かを知ることができます。

 今朝リネハンから、最も若いラットのグループが正常に成長しているようだという報告がありました。今朝仔ラットが1匹死亡し、死亡した仔ラットの総数は51匹に達しました。NASAの動物実験担当の主任であるビリツキーは、39匹の仔ラットが生存しており、このうち37匹が健康で、2匹がクルーの介護を受けていると報告しています。クルーはミッション終了まで、ラットの健康状態のチェックを継続する予定です。

 今朝、カナダ宇宙機関(CSA)の宇宙飛行士であるウィリアムスとパイロットのアルトマンはカナダの副首相であるハーブ・グレイと会談し、さらにカナダ全土の小学生からの質問に回答しました。リネハン、ウィリアムス、バッキー、パウェルツィクの4人もあらかじめ録音しておいたコメントを流しました。この内容は、ニューロラブミッションが「脳研究の10年」というプロジェクトの一環として行われていることと、さらに1906年に神経科学分野でノーベル賞を授与されたサンティアゴ・ラモン・Y・カヤールに謝意を表すものでした。カヤールはカミーロ・ゴルジとともに脳が個々の神経細胞から構成されていることを立証しました。沢山のカヤールのスライドがコロンビア号の機内に持ち込まれており、これは帰還後にはスペインのカヤール研究所に戻される予定です。

 コロンビア号は、高度153×133海里の楕円軌道上を90分の周期で周回しています。軌道上のすべてのシステムは極めて良好です。


Last Updated : 1998. 4.30


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