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NASAステータスレポート

STS-90NASAステータスレポート#24
1998年4月28日6:15pm CDT:米国中部夏時間(4月29日8:15am日本時間)

 本日、コロンビア号の7名のクルーは、微小重力環境での血圧調整機能に着目した科学実験を行いました。

 4人のサイエンスクルー、リック・リネハン、デイブ・ウイリアムス、ジェイ・バッキー、ジム・パウェルツィクは、ヒトの神経系の微小重力環境への適応過程に関する実験を引き続き行いました。ジェイ・バッキーとジム・パウェルツィクは、被験者として交互に下半身陰圧負荷装置(LBNP)を用いて実験しました。この装置は、宇宙空間にいながら地球上で立っている状態と同様な負荷を心循環系に与えることができます。

 また、クルー達は放射性同位体で指標化されたノルエピネフリンを血管内に投与し、その後採血してサンプルを得ました。この実験により、自律神経系に関係するホルモンが血中へ放出される速度、および消失する速度の予測が可能になり、微小重力下における血圧調節の仕組みを解明することができます。

 リック・リネハンとデイブ・ウイリアムスは引き続き回転椅子を使った実験を行いました。この実験では、微小重力環境下においてヒトの前庭系機能、平衡機能がどのように影響を受けるか調べています。

 その他の活動としては、シャトル内のラットの健康管理が挙げられます。NASA Chief Veterinary Officerであるジョー・ビリツキーとの会話の中で、リネハンは、"クルーが全てのラットに水と餌を与えており、ほとんどのラットが順調そうに見える"と報告しました。

 哺乳動物の発達研究チームは、予想外に仔ラットの死亡率が高いために彼らの実験について再考を続けています。今日の午後、ミッションマネージャーより行われた記者発表では、この24時間でさらに4匹の仔ラットが死亡し、飛行中に死亡した仔ラットの数は50匹にものぼることが報告されました。4匹の死因は、2匹は母ラットの養育活動の欠如、2匹は病状を勘案しての安楽死です。96匹の仔ラットの内、現在40匹が生存しており、飛行中の実験の一つとして6匹は既に軌道上で解剖されています。

 シアフォースとウイリアムズは、3つのカナダのメディアからインタビューを受け、今回のミッションと実験について話しました。リネハンはノースカロライナ州立大学の獣医学部の学生と話し合い、彼の科学実験の本質について多くの学生から質問を受けました。

 クルーは米国中部時間の今夜8時29分(CDT)に就寝し、明日はヒトの自律神経機能、血圧調整機能に関する実験を再び行います。

 コロンビア号は高度153×133海里の楕円軌道上を90分の周期で周回しています。


Last Updated : 1998. 4.29


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