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NASAステータスレポート

STS-90NASAステータスレポート#23
1998年4月28日6:00am CDT:米国中部夏時間(4月28日8:00pm日本時間)

 コロンビア号のクルーは、午前4時49分(CDT)に起床しヒトの神経系の微小重力環境への適応過程に関する実験を始めます。

 本日のウェイクアップミュージックは「Turn Turn Turn」という曲で前庭系機能の研究に使用している回転椅子に敬意を表して使われました。

 リック・リネハン、デイブ・ウイリアムスの両MS(ミッションスペシャリスト)、およびジェイ・バッキーとジム・パウェルツィクの両PS(ペイロードスペシャリスト)の計4人のサイエンスクルーは、ヒトの神経系の微小重力環境への適応過程に関する実験を引き続き実施します。ジェイ・バッキーとジム・パウェルツィクは自律神経系機能に関連する様々な実験を行い、微小重力環境下における血圧調節の仕組みを検討します。この実験では宇宙空間にいながら地球上で立っている状態と同じ様な負荷を模擬できる特別な装置(下半身陰圧負荷装置)を使用します。

 クルー達は放射性同位体で指標化されたノルエピネフリンを体内に投与します。この指標化されたノルエピネフリンは、ホルモンなどの血中への放出および消失の速度を予測する指標となり、微小重力下における血中化学物質による血圧調節の仕組みを知る貴重な手がかりになります。PSらは「マイクロニューログラフィー」と呼ばれる革新的な技術を利用した実験を行います。これはひざの裏側の神経に微小な針電極を差し込み脳から血管に送られる神経活動電位を直接測定するものです。

 リック・リネハンとデイブ・ウイリアムスは前庭機能の実験で実験者と被験者の役割りを交互に担当します。この実験は、回転椅子を使った微小重力環境下における平衡感覚機能試験の追加実験で眼球運動と内耳の応答が測定されます。

 ケイ・ハイアMSは微小重力環境下で細胞培養実験を行うために開発されたバイオリアクター実証試験システムの観察を再度実施します。対象となる細胞にはヒトの腎臓と骨髄の細胞が用いられています。また彼女は中枢神経系の機能の変化に関する実験に被験者として参加する予定です。この実験では血圧上昇を司る圧受容器(pressure receptors)を刺激することなく、血圧を上昇させる試みが行われる予定です。

 シーアフォス船長とパイロットのアルトマンは交互に飛行中に使用する小型の着陸操作訓練装置(PILOT)を操作する予定です。これはラップトップコンピュータとジョイスティックを用いてケネディ・スペースセンターへスペースシャトルを着陸する際の操縦技量を維持するものです。

 コロンビア号は高度153×133海里の楕円軌道上を90分の周期で周回しています。コロンビア号のすべてのシステムは問題なく順調です。NASAのマネージャーらはさらなる科学実験実施のため飛行を1日延期するかどうかについて、水曜日(29日)には決定することを予定しています。現在コロンビア号は日曜日(5月3日CDT)に帰還することが予定されています。


Last Updated : 1998. 4.29


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