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NASAステータスレポート

STS-90NASAステータスレポート#17
1998年4月25日7:15am CDT:米国中部夏時間(4月25日9:15pm日本時間)

 STS-90のクルーは、今日で軌道上滞在第2週目の科学実験を始めようとしています。また昨夜、スペースシャトル内の二酸化炭素除去装置のシャットダウンしましたが、それに係るトラブルシューティング作業の支援もいつくか行う予定です。

 フライトコントローラーは、昨夜シャットダウンしたシャトル内の再生式二酸化炭素除去システム(RCRS: Regenerative Carbon Dioxide Removal System)に関するデータの見直しを引き続き行っています。エンジニアリング・チームは今朝会議を開いて、今日の午後にクルーによって行われる予定のRCRSの修理作業で何をするべきか検討します。

 一時的にせよ、RCRSが動作しないため、クルーは予備用の二酸化炭素除去キャニスターを船室内とスペースラブ内に設置しました。コロンビア号には、28個の水酸化リチウムキャニスターが搭載されています。キャニスターは受動的に二酸化炭素を吸収するため、非常に信頼性の高いものです。

 RCRSが復旧できない場合には、コロンビア号に搭載している28個の水酸化リチウムキャニスターを使用することになります。この場合、約5日間の科学実験運用が可能だと見込まれています。船室内とスペースラブ内の二酸化炭素を除去し、居住可能な環境を維持するためには、毎日およそ4つのキャニスターが必要です。天候不良やシャトルの技術的な問題が生じて、コロンビア号の帰還を遅らせる必要が生じた場合に備えた2日間の予備分として8つのキャニスターは使用せずに残しておく予定です。

 また、クルーはスペースラブに搭載されている小動物実験装置(RAHF)の、空気循環ファンに関する作業を行う予定です。データを見る限り、RAHFのNo.7のファンは作動していません。ファンはRAHFに新鮮な空気を送り込み、二酸化炭素を除去するため、飼育されている動物の健康には重要な装置です。現在の計画ではNo.7のファンが実際に故障しているか否かの確認をまず行い、故障が確認された場合には、修理作業としてRAHFのNo.3からNo.7へバイパスを通して通気を確保する予定です。

 飛行9日目の科学実験は、感覚・運動・行動研究チームのボールキャッチ実験を行います。ボールキャッチ実験では、椅子に座っている宇宙飛行士に向かって頭上からボールを放出し、その際の捕球動作を解析します。宇宙空間では重力に関連する感覚情報が無くなりますが、この分析では、その際における視覚の役割の重要性について検討することになります。

 また哺乳動物の発育研究チームの研究課題の一つである運動機能の発達に関する実験も行われる予定です。地上実験の結果から、生後、歩行や遊泳などの基本動作を学習するためには、重力が極めて重要な役割を果たしていることが分かっています。この実験では、生後2、3日のラットが軌道上に打ち上げられ、運動機能の発達が正常に進行するか否かが分析されます。ラットは様々な種類の壁面が用意された特別な装置の中に入れられていますが、その歩行動作がビデオ録画されます。これらのラットには、地上帰還後にも試験が行われ、重力環境に適応できるかどうか分析が行われます。

 コロンビア号は高度153×133海里の楕円軌道上を90分で周回しています。


Last Updated : 1998. 4.25


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