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NASAステータスレポート

STS-90NASAステータスレポート#15
1998年4月24日7:00pm CDT:米国中部夏時間(4月25日9:00am日本時間)

 コロンビア号のクルーは本日「哺乳動物は微小重力環境下で発育するか」という問いに答えるため8匹の幼若なラット解剖したりラットが重力のない環境で歩行を学習する様子を観察しました。リック・シーアフォス船長、パイロットのスコット・アルトマン、ミッションスペシャリストのリック・リネハン、ケイ・ハイア、ディブ・ウイリアムズペイロードスペシャリストのジェイ・バッキー、ジム・パウェルツィクは、本日で神経科学研究ミッションの折り返しを迎え自ら血圧調整を担っている自律神経系に関する実験を行いました。

 バッキーとウイリアムズは、平衡感覚の発達において重要な時期に地上での歩行を学習していない打ち上げ時に生後9日目であった幼若なラットを8匹解剖しました。発達研究チームの実験の成果の一つとして脳幹海馬、小脳、平衡感覚が重力の影響を受けない時にどのように発達するかを知ることができるでしょう。

 リネハンとウイリアムズはまた眼の開かない幼若なラットを小さなトラック上に置き重力の無い環境でいかに歩行を学習するかを実験しました。この研究により幼若期に身に付いた異常な平衡感覚や行動様式が成長した後でも持続するかどうかを知ることが出来ると期待されます。この研究は生まれつき視力聴力に障害のある人が生後それらの器官の障害が治療された時どの程度神経機能が回復するのかを知るのに有用と考えられます。

 リネハン、パウェルツィク、バッキーは、自律神経系に関する実験を行いました。血圧は自律神経系により自動的に調節されています。クルーは心循環器系に負荷をかける下半身陰圧負荷装置(LBNP)を用い、時には装置を操作する側となり時には検査を受ける側となって種々の方法で循環器系への負荷に対する神経系の反応を記録します。

 シーアフォス、アルトマン、ハイアは、引き続きコロンビア号のシステムをモニターし、軌道上での維持管理作業を行うと共にスペースラブの科学実験に協力しました。また、シーアフォスとアルトマンは交互に飛行中に使用する小型の着陸操作訓練装置(PILOT)を操作しました。これはラップトップコンピュータとジョイスティックスを用いてスペースシャトルを操縦する技量を維持するもので、ケネディ・スペースセンターへの着陸操作を模擬します。

 アルトマンとリネハンは、シカゴにあるWGNラジオのニュースキャスターSpike O'Dell氏からインタビューを受けました。また、このインタビューに特別ゲストとしてシカゴカブスのラインサンドバーグも参加しました。 Spike O'Dell氏はイリノイ州出身でカブスファンのアルトマンに、カブズの試合の始球式で投球してほしいと招待しました。

 コロンビア号のすべてのシステムは特に問題なく順調で高度153×133海里の楕円軌道上を周回しています。クルーは、今夜9時39分(CDT)に就寝し土曜日の朝5時39分(CDT)に起床し9日目の作業に入ります。


Last Updated : 1998. 4.25


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