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NASAステータスレポート

STS-90NASAステータスレポート#14
1998年4月24日7:00am CDT:米国中部夏時間(4月24日9:00pm日本時間)

 コロンビア号の7人のクルーは、本日で神経科学研究ミッションの折り返しを迎えます。人体の中で最も複雑で、最も未解明の領域である神経系の基礎的なメカニズムを調べるために26テーマの実験を行います。STS-90のクルーは被験者となり、血圧調整、平衡感覚、神経統合性、睡眠等について実験を行っています。また、クルーは宇宙の微小重力環境が神経系の発達と機能に与える影響を、数種類の動物を用いて実験を行っています。

 リック・シーアフォス船長、パイロットのスコット・アルトマン、ミッションスペシャリストのリック・リネハン、ケイ・ハイア、ディブ・ウイリアムズ、ペイロードスペシャリストのジェイ・バッキー、ジム・パウェルツィクは、今朝5時59分にミッションコントロールセンターから、「This Land is Your Land」という曲によるモーニングコールを受けました。この曲は、シーアフォス船長が所属しているボーイスカウトでの活動に敬意を表して選曲されました。

 今日は、バッキーとウイリアムズが、発達研究チームの実験の一つとして、打ち上げ時に生後9日目であった幼若なラットを8匹解剖する予定です。この期間は、平衡感覚の発達において、非常に重要な時期と考えられています。この実験では、成長過程の異なる段階で、ラットの前庭神経系の発達による変化を調べます。宇宙の微小重力環境では、平衡感覚と位置感覚の情報を担っている感覚器や神経回路は、地上とは異なった発達をすると考えられています。

 シーアフォス、アルトマン、ハイアは、引き続きコロンビア号のシステムをモニターし、軌道上での維持管理作業を行うと共にスペースラブの科学実験に協力する予定です。また、シーアフォスとアルトマンは交互に飛行中に使用する小型の着陸操作訓練装置(PILOT)を操作する予定です。これはラップトップコンピュータとジョイスティックスを用いてスペースシャトルを操縦する技量を維持するもので、ケネディ・スペースセンターへの着陸操作を模擬します。ハイアは、水棲動物実験用にガマアンコウが飼育されている海水型水棲動物実験装置(VFEU)のモニターを引き続き行う予定です。

 リネハン、パウェルツィク、バッキーは、血圧調整を担っている自律神経系に関する実験を引き続き行う予定です。彼らは下半身陰圧負荷装置(LBNP)を用いて、飛行中の血圧調整の変化を記録します。LBNPは、地上の重力環境で立っている状態と同じような負荷を循環器系に与えることができます。

 今日の午後3時30分(CDT)からアルトマンとリネハンは、シカゴにあるWGNラジオのニュースキャスターSpike O'Dell氏よりインタビューを受けます。イリノイ州出身のアルトマンとリネハンは、ニューロラブで行われている実験や、アルトマンの初飛行について話す予定です。

 コロンビア号のすべてのシステムは特に問題なく順調で高度153×133海里の楕円軌道上を90分に1回の周期で地球を周回しています。

 クルーは、今夜9時59分(CDT)に就寝し、明日の朝5時59分(CDT)に起床し9日目の作業に入ります。


Last Updated : 1998. 4.24


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