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NASAステータスレポート

STS-90NASAステータスレポート#12
1998年4月23日6:00am米国中部夏時間(4月23日8:00pm日本時間)


 打ち上げからの飛行期間はほぼ1週間になりますが、クルーはニューロラブミッションの26の異なる実験を引き続き行っています。血圧調整、平衡感覚、神経統合性、睡眠等の各種実験は、人体の中で最も複雑で、最も未解明の領域である神経系の基礎的なメカニズムについて有益な知見を得ることを目的としています。

 リック・シーアフォス船長、パイロットのスコット・アルトマン、ミッションスペシャリストのリック・リネハン、ケイ・ハイア、ディブ・ウイリアムズ、とペイロードスペシャリストのジェイ・バッキー、ジム・パウェルツィクは、米国中部時間の午前6時19分にミッションコントロール センターから、ジェームス・ブラウンの「I Got you (I Feel Good)」という曲によるモーニングコールを受けました。

 木曜日は、血圧調整を担っている自律神経系に関する実験を引き続き行います。この実験では、宇宙飛行中に血圧を調整する機構にどのような変化が起きているかを知ることを目的としています。この実験でクルーは、地上の重力環境で立っている状態と同じような負荷を循環器系に与えることができる、下半身陰圧負荷装置(LBNP)を用います。

 飛行第7日目の作業の一部として、視覚/前庭系実験システム(VVIS)を用いた実験が計画されています。これは、内耳にある平衡感覚器官である前庭系を刺激するための装置です。クルーに対し、前庭系に回転及び傾斜感覚の刺激を与えるために、毎分45回転で回転を行い、その間クルーの頭部を覆っている赤外線ビデオカメラにより眼球の動きを記録します。この実験の結果は、宇宙飛行士が地上へ帰還した時に、平衡感覚の失調を来す原因を知るのに役立ち、また、重い内耳障害の患者に対するより効果的なリハビリ方法の開発に貢献できることを、研究者達は期待しています。

 感覚・運動・行動研究チームは、視覚−行動相互作用測定装置(VCF)を用いて実験を行う予定です。VCFでは、画面上に目で見る指標が映し出されます。指標が現れると、宇宙飛行士は、指標が動き回っている時には、指標を指差し、大きさが変わったときには、指標をつかみ、円運動をしている時は、指標を眼で追跡します。実験の間、手の動きとその反応時間を正確に計測できるように特別に設計されたグローブを宇宙飛行士は身につけます。VFCを用いた運動習熟テストは飛行期間中数回にわたって実施されますが、これは宇宙飛行士が宇宙環境に適応していく過程での、パフォーマンス(作業効率)の変化を計測し、神経系の適応を時間を追って記録するためです。

 今日のクルーの作業に、スペースラブ内の海水型水棲動物実験装置(VFEU)の補修作業が追加される予定です。飛行初期に見られたフィッシュパッケージ(FP:水槽)No.3のエアポンプと同様な兆候がNo.2のエアポンプにも現れています。アルトマンとハイアは、飛行第3日目に実施した同様なバイパス作業を行う予定です。この装置の設定変更により、FP No.1のエアポンプを用いて2つFPに空気を送ることになります。VFEUの4つのFPには水棲生物実験のためにガマアンコウが飼育されています。

 今日の午後、アルトマンとパウェルツィクはダラスにあるKTVT-TVの医学担当記者によるインタビューを受けます。このインタビューは米国中部時間午後5時9分に予定されており、パウェルツィクによるTexas Southern Medical Centerでの神経科学と循環器系に関する研究に焦点が当てられることになると思われます。

 コロンビア号は順調に飛行を続け、地球周回軌道上を約90分の周期で周回しています。


Last Updated : 1998. 4.24


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