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NASAステータスレポート

STS-90NASAステータスレポート#10
1998年4月22日6:00am米国中部夏時間(4月22日8:00pm日本時間)


 昨日午後の休みを楽しんだ後、7人のSTS-90クルーは今日、終日勤務に戻り、脳の神経系に関する軌道上での第6日目の研究を開始します。

 シーアフォス船長、パイロットのアルトマン、ミッションスペシャリストのリック・リネハン、ケイ・ハイア、デイブ・ウイリアムズ、とペイロードスペシャリストジェイ・バッキー、ジム・パウェルツィクは、米国中部時間の午前6時39分にミッションコントロール センターから、ロバート パルマーの「Bad Case of Loving you」という曲によるモーニングコールを受けました。

 科学担当であるリネハン、ウイリアムズ、バッキー、パウェルツィクの4人のクルーは、今日もいろいろな科学実験を実施します。今日は、マウス大脳皮質の初期発達に焦点を当てた「重力減少が神経系の発達に与える影響」に関する実験が引き続き行われます。この系の実験は、今回が2回目で最後ですが、マウスへの標識物質の投与と解剖が行われます。

 総計9匹の妊娠マウスに対し、麻酔をかけ、その胎児を摘出します。その内、6匹のマウスは、飛行3日目に細胞を標識するための物質が注入されています。その中の3匹は、胎児の摘出2時間半前に更に細胞標識物質が注入されます。研究者は神経系の発達が、微小重力でどのような影響を受けるかを調べるためにこの実験を行います。

 クルーの呼吸パターンと血液中の酸素及び二酸化炭素濃度を計測する肺機能テスト(PET)装置の実験も今日行われます。

 哺乳類の発育研究チームの研究テーマの1つである「出生後の運動能力の発達における重力の影響」に関する実験は、ミッション中最初の実験を今日行う予定です。地上の研究では、ラットが泳ぎや歩行といった基本的な運動能力を修得するに当たって、重力が大きな役割を果たしている事がわかってきています。この実験で対象となるラットは、生まれて数わずか2、3日目に打上げられ、研究者は微小重力環境下で運動能力が正常に発達するかどうかを観察します。ラットが歩いたり、登ったり出来るようにいろいろな表面を持つ特別な歩行装置の上を、動き回るところをビデオテープに撮影します。また、飛行後にはラットが重力に再適応できるかどうかを調べるために、運動能力に関する追加の実験が行われる予定です。

 ハイアの今日の作業は、海水型水棲動物実験装置(VFEU)のデータ記録用テープ交換と、加振を行います。VFEUは4つの独立したフィッシュパッケージ(水槽)を持ち、その中でニューロラブ水棲生物チームの研究対象であるガマアンコウを飼っています。ハイアは装置からフィッシュパッケージを引き出してそれを前後に振り、ガマアンコウがその加振にどのように反応するかモニターする予定です。また彼女は、地上での各種医薬品として有用な物質の生産能力の検証のため、バイオリアクター実証試験システムの腎臓と骨髄由来の細胞培養の状態を観察する予定です。

 シーアフォスとアルトマンは、コロンビア号の軌道変換エンジン噴射を監視します。この噴射は、2回の着陸機会が可能になるように軌道を調整するものです。コロンビア号の前部姿勢制御システムによる短い噴射を、中部時間の3時頃に予定しています。

 また、今日の午後4時前にハイアとウイリアムズは、ディスカバリーニュースからのインタビューを数分間受けます。これはニューロラブミッションに関するディスカバリーチャンネルのドキュメンタリーに使われる予定です。

 コロンビア号は引き続き高度137〜154ノーティカルマイル(約254〜285km)の地球周回軌道上を約90分の周期で周回しています。

 クルーは米国中部時間の今夜10時19分に就寝し、木曜日の朝6時19分にミッションコントロールセンターからのモーニングコールで起床する予定です。


Last Updated : 1998. 4.24


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