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NASAステータスレポート

STS-90NASAステータスレポート#07
1998年4月20日6:00pm米国中部夏時間(4月21日8:00am日本時間)


 コロンビア号のクルーは、仮想環境で終わりのない廊下を歩き続けたり、微小重力環境で迷路を用いてラットの方向感覚を試したりしました。またクルーの睡眠パターンと呼吸機能を引き続いて記録しました。今日もニューロラブミッションは人の神経系についての研究を継続して実施しています。

 STS-90のリック・シーアフォス船長、パイロットのアルトマン、リック・リネハンMS、ケイ・ハイアMS、デイブ・ウイリアムズMS、ジェイ・バッキーPS、ジム・パウェルツィクPSは、これまでのところ大きなトラブルもなく研究を続けています。

 リネハンMS、ウイリアムズMS、バッキーPS、パウェルツィクPSは、交互に4匹の雄ラットを用い、エッシャーの階段と呼ばれる位置や方向の感覚に関する実験を行いました。多目的実験作業台の中で2種類のトラックを用いて実験が行われました。一つは画家エッシャーに因んだ3次元の階段と、もう一つは逆に交差しているように錯覚する「マジックカーペット」と呼ばれるトラックで、ラットはそこを何度か走りました。このラットには、脳の中の位置や方向の感覚の中枢である海馬という部分にあらかじめ微小な電極が植め込まれており、この電極から電気信号を送り出す装置を装着します。科学者達は重力の変化に対して、位置・方向感覚が適応する時に、神経線維の結合がどのように変化するのか(つまり可塑性)を研究しています。

 4人のペイロードクルーは、昨日に続いて仮想環境ジェネレータ(VEG)を装着して、実験を行っています。VEGでは、重力が無くなったことによる身体の方向感覚の変化に対し、眼や内耳からの情報がどのように関連しているかを解析します。今日の仮想環境実験では、終わりのない廊下を歩き続けたり、実際、今実験を行っているシャトルの実験室、あるいはその中のクルーが上下逆になったような映像が見えます。この研究は、地上で平衡感覚や位置感覚に障害を持った人に対しても重要な成果をもたらすことが期待されます。

 また、ハイアMS、ウイリアムズMS、リネハンMS、パウェルツィクPSは肺機能テスト装置で交互に呼吸すると共に、呼吸誘導プレチスモグラフ・スーツを着用して、呼吸パターンや血中の酸素濃度と二酸化炭素濃度を計測しました。宇宙での呼吸パターンの変化が宇宙飛行士の睡眠に影響を及ぼしているかを調べます。この研究は、地上で多くの人が持つ睡眠障害の解明に役立つと考えられます。

 CNNレポーターのジョン・ホリマンと海洋学者ジャック・クストー氏の息子ジーン・マイケル・クストー氏は、獣医でもあり、元米国海軍の海洋学者でもあるリック・リネハンMSにCNNのインタビューを行いました。

 コロンビア号は、高度154×137海里の楕円軌道上を90分に1回の周期で周回しています。クルーらは本日午後10時59分(CDT)に就寝し、明日午前6時59分(CDT)に起床する予定になっています。


Last Updated : 1998. 4.21


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