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ミッション進捗状況

飛行15日目 5月 1日(米国中部夏時間)

インタビューを受けるハイアMS
 コロンビア号は米国中部夏時間の5月3日11:09am(日本時間5月4日1:09am、以下同様)にケネディ宇宙センターへの着陸が予定されていますが、ケネディ宇宙センターの当日の天候予報は良好とのことです。
 本日、クルーは米国中部夏時間 3:55am(日本時間5月1日5:55pm、以下同様)に起床し、飛行15日目の作業が始まりました。

 本日は、幼若なラットを用いた動きの巧みさの発達に関する実験、及び仔ラットの解剖が行なわれ帰還後の分析のために組織のサンプルが摘出されました。また、ボールをキャッチする実験等が行われました。この実験は中枢神経系が宇宙での新しい刺激を受容し適応していく能力について研究するものです。 また、今晩には、バッキーPS(ペイロードスペシャリスト)とパウェルツィクPSが睡眠中の呼吸、筋肉の動き、眼球の動きを測定する特殊な装置(脳波の測定用のメッシュ・キャップ、呼吸測定用のスーツ等)を使用して最後の睡眠実験を行います。

 クルーは 7:29pm(5月2日9:29am)頃に就寝し、明日5月2日3:30am(5月2日5:30pm)頃に起床する予定です。

日本が関連しているニューロラブ実験の実施状況

 ハイアMS(ミッションスペシャリスト)は、海水型水棲動物実験装置(VFEU)のデータ記録用テープ交換を行いました。この神経電位信号記録のためのテープ交換は毎日2回行われています。また、ガマアンコウの飼育水のサンプリング及び補充も実施されました。このサンプリングされた水はシャトル帰還後に分析され、VFEUが魚の飼育に適した水質を正常に維持していたかどうかを確認します。ガマアンコウの神経活動電位データは、引き続き取得されています。

 小動物実験装置のラットの餌の交換も実施されました。また、本日解剖が行われた幼若なラットの組織の一部は、「微小重力下での大動脈神経性圧反射機構の発達」実験の代表研究者(PI)である清水PIに、スペースシャトルの着陸後、提供される予定です。

「前庭−眼神経反射による空間見当識の解析」実験状況報告(肥塚 泉 共同研究者)

 私どものグループの実験の成功の鍵を握る大きな要素の一つとして、いかに焦点の合った、きれいな眼球画像を得ることが出来るかという大きな命題がありました。またいかにきれいな画像が撮れたとしても、これが椅子の回転に伴ってぶれてしまっては、もともこうもありません。

 これまで地上にダウンリンクされてきた画像を見る限り、ほぼすべての眼球画像がこの条件を満たしており、今回の実験を完遂するにあたっての必須条件を満たす、満足すべき結果であったと我々は満足しています。
我々の結果の解析については本来、コロンビアが着陸後回収されたビデオテープをもとに行われる予定でしたが、ダウンリンクされた眼球画像の画質が思ったよりも良好で、これを用いての結果解析もすでに始まっており、予想よりも早くこれら眼球運動の解析結果が得られるかもしれません。

 最後の最後、着陸1日前にもう1回測定を行います。また我々は着陸後も数回同様の測定を行い、今度は地球帰還後のヒトの平衡機能の再適応についても検討を加えます。無重量に行った際に起こる適応現象と同様、この地球帰還後の地上での実験についてもどんな結果が出るのか、我々研究者一同、本当に心より楽しみにしております。


Last Updated : 1998. 5. 2


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