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ミール情報(8月8日)


● 全体状況


● クルーの状況

 現在ミールには、ロシア人飛行士4名、米国人飛行士1名の合計5名の飛行士が滞在している。

 現在、クルーはエレクトロン酸素発生装置の修理を行っている。この作業は今週初めから行われており、当初、ソユーズTM26の到着前に復旧させる予定でいたが、修理には更に時間がかかる模様。現在、ミールのクバント2に搭載されているもう1つのエレクトロン酸素発生装置(節電のためOFF状態となっている。)を稼働させるための作業を行っている。

 これまで半年間ミールに滞在しているロシアのツィビリエフ飛行士とラズートキン飛行士は、8月14日(木)に帰還予定。また、米国フォール飛行士は、9月に予定されているSTS−86で米国ウォルフ飛行士と交代する。


● ドッキング作業について

 ミールには2つのドッキングポート(コアモジュールの前方に1つ、クバント1に1つ)があり、現在ソユーズTM25がコアモジュールの前方に、ソユーズTM26がクバント1にドッキングしている。

 ソユーズTM26のドッキングポート確保のため、日本時間の8月6日(水)20時46分、クバント1から一時的に切り離されたプログレスM35輸送機は、現在、ミールから十分離れた軌道上で待機している。

 今後の予定を以下に示す。

  • 8月14日(木)にロシア人飛行士がコアモジュールにドッキングしているソユーズTM25で帰還する。
  • 8月15日(金)ソユーズTM26をクバント1から切り離し、コアモジュールへドッキングさせる。この際クルーは、ソユーズTM26に搭乗し、6月の衝突事故で損傷したスペクトルモジュールの損害状況を調査することになっている。
  • 8月16日(土)待機させておいたプログレスM35をクバント1へ再びドッキングさせる。(今年3月のクルー交代の際には、この作業に失敗し、プログレスM33を大気圏へ投棄するという事態が発生している。)
 プログレスM35は、引き続き物資の保管や廃棄物の収容等に使用され、10月〜11月頃、次のプログレス輸送船が到着する前に大気圏に投棄される予定。


● ソユーズドッキング中の不具合について

 日本時間8月8日(金)にミールにドッキングしたソユーズTM26は、当初、自動ドッキングシステムでドッキングを行う予定であった。

 ところが、ミールから13mの距離まで接近した時点で、自動ドッキングシステムに異常が発生したため、安全のために一時ミールから25mの距離まで後退し、その後、手動でドッキングを行った。ロシア航空宇宙局は、異常の原因についてオペレーションミスではなくシステム的なトラブルであるとし、今後、詳細な調査を行っていく予定。


● 船内修理作業

ミールの電力回復のための船内修理作業は、8月20日(水)に行われる予定。


● 船外修理作業

 プログレスとの衝突により損傷したスペクトルモジュールの船外修理作業について、ロシア航空宇宙局は以下のスケジュールを考えている。

  1. 現在クバント1にドッキングしているソユーズTM26を、8月15日(金)ミールのコアモジュールのドッキングポートへ移動する際に、スペクトルモジュールの側を通り、ソユーズTM26からスペクトルモジュールの損害状況を調査する。(移動の際、クルーはソユーズTM26に搭乗する。)
  2. 9月3日(月)にロシア人飛行士により最初の船外修理作業が行われる。この作業では、スペクトルの外壁の調査だけで、穴をふさぐ作業は行わない。また、NASAはこの作業に米国フォール飛行士を参加させることを検討している。
  3. 9月打上げ予定のSTS−86アトランティスのデイヴィッド・ウルフ飛行士の到着後、スペクトルモジュールの穴をふさぐ作業を行う。

 ウォルフ飛行士は昨年8月よりロシアでトレーニングを行っており、来年1月のミール滞在ミッションとしては最後になるシャトル/ミールミッションに参加する予定であった。

 STS−86は、ウォルフ飛行士の訓練のために、10日程度打上げスケジュールが遅れ、9月28日頃に打上げる予定。

 STS−86には、当初、フォール飛行士と入れ替わりでミールに滞在する予定となっていたウェンディ・ローレンス飛行士も搭乗する。ただし、ローレンス飛行士は、船外活動に必要なロシア製宇宙服のサイズが合わないこと、船外活動の訓練を受けていないこと等から修理作業には参加せず、科学実験等を行い、フォール飛行士とともににアトランティスで帰還する予定。その間に万一ウォルフ飛行士が病気等で修理作業が出来くなった場合は、ウォルフ飛行士に替わりローレンス飛行士がミールに滞在し修理作業のバックアップを行う。ただし、船外作業は行わない。


● 酸素供給


● 姿勢制御

 ミールの12機のジャイロスコープのうち、現在10機が稼働中。ミールの姿勢制御に対して、十分な能力を供給している。


● その他

 来年1月のシャトル/ミールミッションのウォルフ飛行士の代役について、NASAは、1、2週間のうちに決定する予定。


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