|
||||||
ミール情報(8月8日)
● 全体状況
今回のロシア人飛行士(船長:ソロビュエフ49歳、フライト5回目、フライトエンジニア:ビノグラドフ43歳、初フライト)は、今後2ヶ月間の間に6回の船内/船外修理作業が予定されている。
● クルーの状況
現在ミールには、ロシア人飛行士4名、米国人飛行士1名の合計5名の飛行士が滞在している。
現在、クルーはエレクトロン酸素発生装置の修理を行っている。この作業は今週初めから行われており、当初、ソユーズTM26の到着前に復旧させる予定でいたが、修理には更に時間がかかる模様。現在、ミールのクバント2に搭載されているもう1つのエレクトロン酸素発生装置(節電のためOFF状態となっている。)を稼働させるための作業を行っている。
これまで半年間ミールに滞在しているロシアのツィビリエフ飛行士とラズートキン飛行士は、8月14日(木)に帰還予定。また、米国フォール飛行士は、9月に予定されているSTS−86で米国ウォルフ飛行士と交代する。
● ドッキング作業について
ミールには2つのドッキングポート(コアモジュールの前方に1つ、クバント1に1つ)があり、現在ソユーズTM25がコアモジュールの前方に、ソユーズTM26がクバント1にドッキングしている。
ソユーズTM26のドッキングポート確保のため、日本時間の8月6日(水)20時46分、クバント1から一時的に切り離されたプログレスM35輸送機は、現在、ミールから十分離れた軌道上で待機している。
今後の予定を以下に示す。
● ソユーズドッキング中の不具合について
日本時間8月8日(金)にミールにドッキングしたソユーズTM26は、当初、自動ドッキングシステムでドッキングを行う予定であった。
ところが、ミールから13mの距離まで接近した時点で、自動ドッキングシステムに異常が発生したため、安全のために一時ミールから25mの距離まで後退し、その後、手動でドッキングを行った。ロシア航空宇宙局は、異常の原因についてオペレーションミスではなくシステム的なトラブルであるとし、今後、詳細な調査を行っていく予定。
● 船内修理作業
ミールの電力回復のための船内修理作業は、8月20日(水)に行われる予定。
● 船外修理作業
プログレスとの衝突により損傷したスペクトルモジュールの船外修理作業について、ロシア航空宇宙局は以下のスケジュールを考えている。
ウォルフ飛行士は昨年8月よりロシアでトレーニングを行っており、来年1月のミール滞在ミッションとしては最後になるシャトル/ミールミッションに参加する予定であった。
STS−86は、ウォルフ飛行士の訓練のために、10日程度打上げスケジュールが遅れ、9月28日頃に打上げる予定。
STS−86には、当初、フォール飛行士と入れ替わりでミールに滞在する予定となっていたウェンディ・ローレンス飛行士も搭乗する。ただし、ローレンス飛行士は、船外活動に必要なロシア製宇宙服のサイズが合わないこと、船外活動の訓練を受けていないこと等から修理作業には参加せず、科学実験等を行い、フォール飛行士とともににアトランティスで帰還する予定。その間に万一ウォルフ飛行士が病気等で修理作業が出来くなった場合は、ウォルフ飛行士に替わりローレンス飛行士がミールに滞在し修理作業のバックアップを行う。ただし、船外作業は行わない。
● 酸素供給
同装置(6月にクーリングシステムのレギュレータバルブの不具合によりオーバーヒートを起こし、時間的な制限付きで稼働させていた)は、先週あたりからシステムが勝手に立ち下がる状態が数回起こっていた。原因として、ガス検知器の中に汚物等が入り込んでいるためと考えられている。
現在クルーは、クバント2に搭載されているエレクトロン酸素発生装置(節電のため6月の衝突事故以来OFF状態となっている。)にコアモジュールから電力を供給し、稼働させるための作業を行っている。
ロシア航空宇宙局は、仮にこの作業が失敗しても、クルーは酸素発生キャンドルを使用することで約2ヶ月間は必要な酸素が得られるとしている。このため同局は、現在の状況は直ちにクルーの生命に影響を及ぼすものではないと見ている。
このキャンドルは、2月の火災事故の原因になっていることから、使用する際は、すぐ側に消化器とガスマスクを常に準備している。
● 姿勢制御
ミールの12機のジャイロスコープのうち、現在10機が稼働中。ミールの姿勢制御に対して、十分な能力を供給している。
● その他
来年1月のシャトル/ミールミッションのウォルフ飛行士の代役について、NASAは、1、2週間のうちに決定する予定。
|