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ミール情報(7月29日)


● 全体状況

 ミールのシステムは安定しており、バッテリは各システムに対し十分な電力を供給している。

 クルーの健康状態は良好。7月14日に不整脈の症状を訴えたツィビリエフ船長の健康状態も安定している。


● クルーの状況

 現在ミールに搭乗している3名の飛行士は、機器の保守作業を日課としている。この他の作業として、ロシア人飛行士2名は、8月14日(木)の帰還に備えて健康チェックを行っている。一方、米国飛行士は、温室を用いた植物実験等を行っており、幾つかの成果が得られている模様。以下に最近の状況について報告する。

  • 24日(木)朝、コアモジュールのエアダクトからクリスタル、プリローダ両モジュールへ暖かい風を送風し、両モジュールの結露を防ぐための処置を実施した。
  • 25日(金)米国フォール飛行士より、24日(木)の処置の効果で、両モジュールの結露は減少したという報告があった。両モジュールにはそれぞれ換気システムが設置されているが、6月25日の衝突事故以来、電力不足のため電源がOFF状態となっている。
  • 26日(土)27日(日)の2日間で、ミールの12機あるジャイロスコープで、現在不具合を起こしている4機のうちの1機について修理を行い復旧させた。現在ミールは9機のジャイロスコープで自動姿勢制御を行っている。ミールの姿勢制御には8〜9機のジャイロスコープが必要とされており、今回復旧したジャイロスコープはミールの姿勢制御システムに対して機能的な余裕を与えるものとなる。
  • 28(月)二酸化炭素除去装置の真空バルブの交換を行った。現在二酸化炭素除去装置は正常に作動している。


● 修理作業

 ミールの電力回復のための船内修理作業は、8月20日以降に行う予定となっている。現在ミールに滞在している3名のクルーは修理作業には参加せず、2名のロシア人クルーは8月14日に帰還する予定。もう一人の米国人クルーは9中旬にスペースシャトルにより帰還予定となっている。

 船内修理作業に参加する2名のロシア人クルーは、現在の予定では日本時間8月6日(水)午前0時35分にロシアのバイコヌール宇宙基地より打上げられ、日本時間8月8日(金)午前2時23分にミールに到着する予定となっている。



● 酸素供給

  • 5月にシャトルにより運ばれてきたエレクトロン酸素発生装置は、節電のため依然OFF状態。
  • 二酸化炭素除去装置は28日(月)真空バルブを交換、現在稼働中。
  • プログレス輸送機により運ばれてきた酸素タンクからの酸素供給は、今週中に開始される予定。


● 8月5日打上げのソユーズのミールとのドッキングについて

 7月25日(金)NASAオペレーションリーダより、8月5日打上げのソユーズTM26とミールとのドッキングについて以下の説明があった。

 現在ミールのドッキングポートには、ソユーズTM25がコアモジュールの前方に、プログレスM35がコアモジュールの後方にドッキングしている。

 現在の計画では、新しいロシア人クルー2名を乗せたソユーズTM26(日本時間8月6日(水)打上げ予定)が打上げられた次の日(日本時間8月7日(木)予定)に、プログレスM35をコアモジュール後方から一時的に切り離し、替わりにソユーズTM26がドッキングする(日本時間8月8日(金)予定)。

 その間プログレスM35はミールに対し一定の状態を保って待機する。8月14日(木)(予定)に現在のロシア人クルーがソユーズTM25で帰還した後、ソユーズTM26をコアモジュール後方から切り離し、コアモジュール前方へ再びドッキングさせる。

 8月16日(土)(予定)待機させておいたプログレスM35をコアモジュールの後方へ再びドッキングさせる。

 プログレスM35は、引き続き物資の保管や廃棄物の収容等に使用され、10月〜11月に大気圏に投棄される予定。


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