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ミール情報(1998年10月25日)


10月25日現在の状況
 ロシアの財政難により打上げが延期されていたプログレス輸送船は、モスクワ時間10月25日(日)午前7時14分に、ミール宇宙ステーションへの補給物資を搭載し、カザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地より打ち上げられた。
 プログレス輸送船は、当初10月15日に打上げが予定されていたが、資金難によりプログレス輸送船の打上げロケットであるソユーズロケットが調達できなかったため、予定より10日遅れの打上げとなった。
 プログレス輸送船には水や食料の他に、フランスが開発し、ロシアと共同で利用するしし座流星群観測用の科学装置*1や、ZnamyaまたはBannerと呼ばれる巨大な宇宙鏡*2が搭載されている。
 プログレス輸送船は、27日(火)にミール宇宙ステーションとドッキングを行う予定。

*1しし座流星群観測用科学装置
 11月中旬に地球に接近するしし座流星群を観測する装置で、同装置はミール宇宙ステーションの外壁に取り付けられるため、取付には船外作業を要する(11月11日予定)。
 船外作業は危険回避のため、ミール宇宙ステーションが流星群の中に入る前に行う必要がある。
 
*2宇宙鏡
 ZnamyaまたはBannerと呼ばれるこの宇宙鏡は、直径約30m、重量4kg以下の金属薄膜層の展開型の鏡で、太陽の光を反射させ、夜間ロシアの地上の一部分を照らす実験を行う。
 この実験は、将来北極圏地域の夜間照明に利用したり、災害地の緊急照明に用いたりすることを目的としたものであるが、ロシア宇宙関係者は、本装置では地上からは天気の良い日に流れ星程度の明るさでしか確認できないとしている。また、将来的には更に大きな宇宙鏡を開発する計画もあるが、技術的課題が多いとしている。
 宇宙鏡は折り畳まれた状態でプログレス輸送船に格納され、プログレス輸送船がミールとのドッキングを解除する来年の2月に宇宙空間で展開(クルーがマニュアル操作でプログレスを実験に適した位置まで誘導する)し、実験を行う予定。(同様の実験が93年に実施され、僅かに光が確認された。)
 また、展開した宇宙鏡を利用し、太陽風による太陽航行(soler sail)の実験も併せて行う予定。


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