ミール情報(1998年 3月 3日)
● 3月 3日現在の状況
- 米国時間の3月2日(月)夜に予定されていた船外作業は、エアロックのハッチに不具合が生じたため、予定していた作業を断念し、今月末以降に延期されることとなった。
不具合を起こしたのは、エアロックのハッチの10個ある留め金のうちの1つで、この留め金のロックが解除できなかったため、クルーは船外へ出ることが出来ず予定の作業を断念した模様。
このハッチは、昨年11月3日の船外作業の際に気密漏れを起こしており、その対応にあたった前クルー(ロシアのソロブヨフ飛行士、ビノグラードフ飛行士)が必要以上に堅く留め金をロックしたことが今回の不具合の原因と考えられている。
今回の船外作業では、昨年6月の衝突事故で損傷したスペクトルモジュールの太陽電池パドルに支柱を取り付ける等の修理作業が予定されていた。 今回の作業で、ハッチの留め金を無理に開けようとした際に、ハッチを開ける工具(レンチ)を全て破損させてしまったため、ロシア航空宇宙局は今後の船外作業を、3月15日(日)打上げ予定のプログレス輸送船で工具等の補給を行った後の3月末、または4月に行うことを検討している。
また、今回のハッチの不具合が起きる前にエアロック内の気密漏れが発見された。これはエアロック内のバルブが開いたままの状態となっていたのが原因で、直ちにクルーにより処理されたが、米国は度重なる不具合にミールの安全性を疑う声が再び出始めることを懸念している。
一方ロシア航空宇宙局は、ミールを国際宇宙ステーションの運用が始まる1999年まで維持していくとしている。
Last Updated : 1998. 3. 4 |