(1)概要(目的・意義・内容)概要 第1次材料実験(FMPT)で使用した宇宙放射線モニタリングコンテナ等を利活用し、宇宙放射線の長期間に渡る物理的計測のみならず、生物に与える影響を遺伝子・DNAレベルで調査する実験です。宇宙放射線による損傷と修復等が起こる部位を特定することで癌発生などのメカニズム解明に役立ちます。また、蚕卵試料では宇宙放射線の遺伝子的影響のを継代飼育することにより、解明するための手がかりを得ることとしています。
(2)実験装置概要
宇宙放射線生物影響実験装置は、宇宙放射線モニタリングコンテナ、宇宙放射線計測ドジメータ、温度計測装置等からなり、総重量は約4kgです。
| |
宇宙放射線生物影響実験装置 | 搭載コンテナ |
(3)実験方法
上の写真に示す宇宙放射線モニタリングコンテナに細胞、DNA、菌(大腸/酵母/枯草)、卵(蚕)を放射線計測板とともにサンドウィッチ状に搭載し、コンテナ周囲には、放射線計測板を取り付けます。生物試料は、温度に敏感なためにコンテナの周囲の温度を常時モニタしておきます。放射線の量と方向は計測板に蓄積され、温度データは計測器に蓄積されます。解析は、細胞等が受けた影響の程度及びその部位に合致する相対位置での放射線の集積量と入射方向等を調査することによって実施されます。
(4)実験研究協力者一覧
実験研究協力者の一覧表を示します。上記から3人までが物理的な計測のグループで、他の4人が生物影響を調査するグループです。
氏名 | 所属 |
藤高 和信 | 放射線医学総合研究所 | 道家 忠義 | 早稲田大学 |
小倉 紘一 | 日本大学 | 大西 武雄 | 奈良県立医科大学 |
谷田貝 文夫 | 理化学研究所 | 群家 徳郎 | 熊本工業大学 |
森本 弘一 | 奈良教育大学 |
最終更新日:1998年5月25日 |