実験の背景
これまで宇宙の微小重力環境でほ乳類が子供を作れるかどうかの研究がネズミを用いて数多くされてきましたが、なかなか成功していません。そこでほ乳類の宇宙での繁殖を最終目標とした実験の一環として、本実験ではネズミの精子を宇宙で長期間保存し、微小重力や宇宙放射線などに曝された後で地上に持ち帰り、体外受精によって宇宙精子由来の子孫を作りだします。
実験の目的
ほ乳類の生殖細胞が宇宙空間で長期間保存可能かどうか検討し、将来人類も含めたほ乳類が宇宙で繁栄できるか確かめます。
実験内容
地上で凍結乾燥させた精子を宇宙に運び、冷凍庫で一定期間保存した後、地上に持ち帰り顕微鏡下で授精を行ないます。そして宇宙保存精子による受精率、放射線による影響、DNAの修復率、初期発生の正常性、および最も重要な子ネズミの出産率を調べます。
ココがポイント!
種の保存を目的とする遺伝資源保存プロジェクト、繁殖学や畜産の分野で重要なテーマとなる良質な肉や毛を持つ家畜の繁殖など有益な実験動物の種の保存、生殖細胞の保存に応用できます。
本実験は宇宙ステーション補給機「こうのとり」4号機によって国際宇宙ステーションへと運ばれ、2013年8月に実験が開始されました。
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