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宇宙実験調査団のピカルとキラリが混晶実験を大調査!
実験提案者の稲富先生とも仲良しの物知りハカセに聞きました。
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ハカセ |
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ピカル |
キラリ |
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ピカル: |
ハカセ、こんにちは。
今日は姉のキラリと一緒に来ました。 |
キラリ: |
こんにちは!半導体の実験がまた企画されていると聞いて、飛んできました! |
ハカセ: |
おお、二人とも、よう来たのう。
今日は混晶実験の調査かの? |
キラリ: |
はい。半導体といえば、パソコンに使える半導体を作るHicari実験がありますが、今回はどういう半導体を作るんですか? |
ハカセ: |
相変わらず、好奇心旺盛じゃのう。二人は、太陽電池を知っておるかの? |
ピカル: |
はい!家の屋根とかにつけて、太陽の光を電気に変えるものですよね。 |
ハカセ: |
そうじゃな。今回の半導体は、これの応用じゃ。 |
キラリ: |
太陽電池に使う半導体を作るってことですか? |
ハカセ: |
うむ、原理は太陽電池と一緒なんじゃが、赤外線という目に見えない光を使う。 |
ピカル: |
赤外線?目に見えない光? |
ハカセ: |
ピカルは虹を見たことがあるじゃろう。 |
ピカル: |
あります、あります!空で見たこともありますけど、小学校の時の実験で、太陽の光をプリズムで分けて虹を作ったこともありますよ! |
ハカセ: |
ほう、それなら話が早い。太陽の光は、いろんな種類の光が混ざっておるんじゃ。ピカルは太陽の光をプリズムで分けたわけじゃが、人間の目に見える光(可視光)の部分が虹に見えた、ということになるな。光の種類は、波長で区別することができて、人間の目に見えるのは、紫色に見える0.4ミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリ)の波長から、赤色に見える0.8ミクロンの波長くらいじゃな。太陽電池で使うのは、可視光のあたりの波長じゃ。 |
キラリ: |
日焼けの原因になる紫外線は、目に見えませんけど、確か波長が短いんですよね。 |
ハカセ: |
その通りじゃ。紫外線とは、紫色の外にあるという意味じゃよ。 |
ピカル: |
ということは、赤色よりも長い波長の、ぼくたちには見えない光もあるってことですね?あっ、それが赤外線ですね? |
ハカセ: |
そうそう、その赤外線が、まさに今日の本題じゃ。物は何でも、温度に応じて赤外線を出しておる。石焼き芋屋さんで売っている焼き芋は、焼いた石の表面から出ている赤外線のお陰でホクホクして甘いと言われておるのじゃ。実は、その焼き芋からも、それを食べている我々の体からも、多かれ少なかれ赤外線が出ているんじゃよ。 |
ピカル: |
えーっ!ぼくの体から赤外線がいつも出てるなんて、知らなかった・・・。 |
キラリ: |
私も知らなかったです・・・。今回の混晶実験では、この赤外線の波長を使って、光を電気に変える性質を持つ半導体を作るってことですか? |
ハカセ: |
その通りじゃ。さっきも言ったが、物は何でも、温度に応じて赤外線を出しておる。つまり、熱を発しているものは当然、赤外線が出ているということじゃ。これを使って発電ができれば、便利じゃろ? |
ピカル: |
できたての焼き芋やラーメン、肉まんが発する熱から発電ができる、ってことですか? |
キラリ: |
ピカルったら、食べるものばっかり! |
ハカセ: |
まあ、効率はともかく、原理的にはできるじゃろうな。混晶実験で作る半導体が使おうとしておるのは、工場や車からの排熱、ストーブ、キャンプのたき火など我々の身近にある熱い物(熱源)が発する赤外線じゃ。しかも、身近な熱源を使えば太陽よりもずっとずっと近い距離で赤外線をうまく捕まえることが出来る。 |
キラリ: |
そんな身近なものから電気ができるなら、省エネになるし、本当にすごいことですね!混晶半導体の材料はなんですか? |
ハカセ: |
我々の身近な熱源の表面温度は、太陽(6000度ぐらい)よりずっと低いので、せいぜい2ミクロンかそれよりも長い波長の赤外線が大半なのじゃ。しかし残念なことに、今の太陽電池は赤外線を電気に変える効率が極めて低い。そこで、高い効率で赤外線を電気に変える材料として注目されているのが、インジウムアンチモンと、ガリウムアンチモンという2つの異なる半導体結晶の混ざったものなのじゃ。混晶という名前がついているのはこのためじゃ。実はこの結晶、品質のいい結晶を作るのが非常に難しいのじゃ。 |
ピカル: |
そこで、宇宙の出番ってことですか? |
ハカセ: |
そういうわけじゃ。いい結晶を作るには、まず結晶がどうやってできているかを詳しく調べないといかん。そのためには、重力がなく、対流のない宇宙で、まずは結晶のできるプロセスをきっちり調べてやろう、というのが今回の実験じゃな。
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ピカル: |
宇宙で大量生産とかはしないんですか? |
ハカセ: |
宇宙で半導体工場を作るのは、コストの面からも現実的ではないようじゃ。宇宙はあくまで、いい結晶を作るための方法を調べるために使うんじゃよ。
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キラリ: |
いい結晶を作るための秘訣が分かれば、それを地上で応用してたくさん作ればいいですもんね。この結晶が実際に発電に使われるようになれば、環境にもやさしいし、すごく期待できますね。 |
ハカセ: |
そうじゃな。わしもこの実験の成果には期待しておる。
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ピカル・キラリ: |
ハカセ、今日はどうもありがとうございました!
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