ポイント1
腎臓由来のA6細胞と、肝臓由来のA8細胞を比較することによって、微小重力の影響を受けやすい臓器があるのかを調べます。
ポイント2
地上でA6細胞達が形作るドームは、宇宙でも出来るのか?
ドーム形成という一つのモデルを通じて、生物の形作りに対する微小重力の影響を調べます。
ポイント3
地上では眠っていた遺伝子が、宇宙で呼び起こされることはあるのか?
形だけではなく遺伝子発現という観点からも、微小重力の影響を調べます。
浅島誠先生はカエルやイモリの卵を使って発生生物学(生物の形作りの仕組みを明らかにする学問)の研究を続けてきました。
特にアクチビンというタンパク質が、その濃度を変えることにより様々な臓器を誘導する能力を持つことを発見し(図1)、近年の再生医療技術開発の先駆けとなったことでも有名です。
この宇宙実験でも、これまで培ってきた「生物の形作りを見極める眼」を最大限に生かして、ドームの形成という現象を見つめます。
その際に形だけではなく、遺伝子発現も調べることによって、「宇宙での形作り」を詳細に明らかにすることを目指しています。
これまでの研究から、ヒトとカエルの形作りには共通点が非常に多いと言われています。
人類が宇宙へ進出し、子孫を増やしてゆく時代に向けて、宇宙での形作りに「微小重力」という環境がどの様な影響を与えるのか?
このカエル発の実験を通して重要な手がかりが得られると期待されます。
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図1 アクチビン処理により形成される組織と器官
(提供:東京大学浅島研究室)
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