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TR−I A−1号機による宇宙実験と成果


概要
 TR−I A−1号機は、平成3年9月16日、種子島宇宙センター竹崎射場から打上げられ、計画通り6分間の微小重力実験を実施した後、予定落下水域でペイロード部が回収された。分解点検した後、実験試料及び記録画像など実験データの実験協力者への引き渡しを行い、飛行中のデータ、回収後の点検、実験試料及び記録画像の分析・評価を実施した。


実験テーマと搭載実験装置

 1号機には実験装置として、観察技術実験装置、流体物理基礎特性測定装置、高温加熱装置、汎用加熱装置及び微小重力維持技術実験装置の5装置が搭載され、以下の5テーマの微小重力実験を実施しました。
分野 実験テーマ 実験協力者 搭載実験装置
溶液成長実験 アセトン溶液から成長するヨウ化カドミウム(CdI)結晶のその場観察 塚本 勝男
(東北大学)
観察技術実験装置
流体物理実験 マランゴニ対流及び表面張力波のその場観察実験 東 久雄
(航空宇宙技術研究所)
流体物理基礎特性測定装置
沸騰/気泡制御実験 沸騰気泡発生(プール沸騰)実験 阿部 宜之
(電子技術総合研究所)
微小重力維持技術実験装置
材料科学 粒子分散合金の溶融・凝固実験 村松 祐治
(金属材料技術研究所
汎用加熱装置
酸化物高温超伝導体の溶融・凝固実験 戸叶 一正
(金属材料技術研究所)
高温加熱装置


実験成果の概要

 1号機にて実施された5テーマの微小重力実験の成果を以下に示します。


  1. 溶液成長実験
    実験テーマ アセトン溶液から成長するヨウ化カドミウム(CdI)結晶のその場観察
    実験目的  微小重力を利用した結晶成長メカニズムの解明に必要な技術を開発するため、温度を上げながら溶液からの結晶の成長挙動を観察し、その場観察、結晶周囲の温度・濃度測定、温度測定・制御等に関する技術の開発を行う。
    使用実験装置 観察技術実験装置
    実験協力者 塚本 勝男(東北大学)
    成果  実験装置は、溶液中への気泡混入を除き所定の機能・性能を発揮した。なお、気泡混入の原因は地上試験時に、種結晶収納部のOリングに微細な傷がつき、種結晶収納部の真空度が劣化したためと推定している。結晶周囲の温度と濃度を一義的に決定できる測定技術、その場観察技術等については、その開発目標を達成した。
     世界で初めて温度及び濃度勾配による気泡周囲のマランゴニ対流の観察に成功しました。また、本実験の条件では、このようなマランゴニ対流は振動的に流れることを発見し、結晶成長に及ぼす振動的流れの影響に関する基礎的データが取得できました。


  2. 流体物理実験
    実験テーマ マランゴニ対流及び表面張力波のその場観察実験
    実験目的 熱対流に代わって微小重力下で顕在化するマランゴニ対流現象を明らかにするため、シリコンオイル液柱の両端に温度差を作り、マランゴニ対流及びその表面張力波を発生させる。この状況を光学的に観察しながら、その場観察、マランゴニ対流測定、温度制御・測定等に関する技術の開発を行う。
    使用実験装置 流体物理基礎特性測定装置
    実験協力者 東 久雄(航空宇宙技術研究所)
    成果  実験装置は、所定の機能・性能を発揮した。精密なその場観察が可能な光学系、トレーサ混入・攪拌技術等については、その開発目標を達成した。
     世界で初めて表面張力波の観察に成功しました。また、実験結果とマランゴニ対流の数値解析結果とは、ほぼ一致し、数値解析の妥当性が明らかになりました。


  3. 沸騰/気泡制御実験
    実験テーマ 沸騰気泡発生(プール沸騰)実験
    実験目的 熱制御系等で発生する沸騰、気泡の発生現象を解明するため、種々の圧力条件下で加熱面上に気泡を発生させ、気泡の発生挙動等を観察し、その場観察、気泡と加熱面間の膜厚測定等に関する技術の開発を行う。
    使用実験装置 微小重力維持技術実験装置
    実験協力者 阿部 宜之(電子技術総合研究所)
    成果  実験装置は、所定の機能・性能を発揮した。その場観察、膜厚測定技術等について、その開発目標を達成した。
     沸騰現象が地上と比較して著しく異なり、膜沸騰が非常に生じやすいということが分かりました。また、気泡と加熱面の間に存在する薄い液体膜については、地上実験結果と異なり、乾燥部分が存在せず、ほぼ均一な厚さの液体膜が形成されるということが分かりました。


  4. 材料科学
    実験テーマ 粒子分散合金の溶融・凝固実験
    実験目的  濡れ性(なじみの度合い)は、粒子分散型等の合金・複合材を微小重力下で製造する場合大きな影響因子である。微小重力を利用してこの影響を解明するため、母相(銅)と濡れ性の異なる粒子(濡れ性の良いタングステン粒子と悪いアルミナ粒子の2種類の試料)を用いて粒子分散合金の溶融・凝固を行う。また、この実験を通じて、精度の高い温度測定・制御等に関する技術の開発を行う。
    使用実験装置 汎用加熱装置
    実験協力者 村松 祐治(金属材料技術研究所)
    成果  実験装置は、所定の機能・性能を発揮した。精度の高い温度測定・制御技術等については、その開発目標を達成した。
     微小重力下で溶融・凝固させた試料の内部組織は、濡れ性によって著しく相違し、分散状態に及ぼす濡れ性の影響が明らかになりました。この結果から、微小重力下で均一分散を図るためには、母相と粒子の濡れ性の改善が重要であるとの結論を得ました。
      
    実験テーマ 酸化物高温超伝導体の溶融・凝固実験
    実験目的 ミラー加熱型高温加熱装置によりイットリア系高温酸化物超電導体の生成を試みると共に、その生成状況を観察する。この実験を通じてその場観察、温度測定・制御、試料と容器の適合性評価等に関する技術の開発を行う。
    使用実験装置 高温加熱装置
    実験協力者 戸叶 一正(金属材料技術研究所)
    成果  実験装置は、所定の機能・性能を発揮した。その場観察、試料の短時間溶融・凝固、反応性の高い試料の保持方法技術等については、その開発目標を達成した。
     微小重力下で高い温度勾配が存在する場合の、構成元素の拡散・気泡の移動と内部組織との相関関係が明らかになりました。このことから、微小重力を利用した高温酸化物超伝導体の高電流密度化を達成するためには、試料内部の温度均一化・構成元素の均一分散化が必要であることが分かりました。




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