国際宇宙ステーションステータスレポート#99-46
1999年 11月 24日(水)午後 9時(米国中部標準時間)
1999年 11月 25日(木)午前 0時(日本時間)
ヒューストンのミッション・コントロール・センター
国際宇宙ステーション(ISS)は、国際宇宙ステーション全体の運用に支障を来すような問題もなく、11月20日(土)に軌道上での1周年を迎えました。
バッテリのサイクリング(活性化)作業と軌道高度を上昇させる作業の準備が先週の主たる業務で、飛行管制官達はその他の業務としてはザーリャとユニティのシステムのモニタを行いました。
バッテリ1と2は電力系から切り離されたままですが、その他のバッテリの深いサイクリング(十分深い充放電による活性化)作業は問題なく終了しました。これらの4基のバッテリはザーリャの2枚の太陽電池パドルにより充電されていて、ステーションで使用する全ての電力をまかなっています。
バッテリ2は先週サイクリングの際放電がうまくいかなかったため電力系から切り離されました。バッテリ1を部分的にでも使用することができるようにしようという計画をロシアの管制官達が検討中ですが、未だ着手したばかりです。ISSは最小限3基のバッテリで問題なく運用することができます。
また「バッテリの回復」(battery restoration)と呼ばれる手順の中で、現在運用している4基のバッテリを完全に放電してから再度充電するという計画が検討されています。これは各バッテリにつき約半年毎に実施するもので電池と関連電子機器の寿命を維持し、宇宙ステーションに最大限の電力供給能力を提供しようというものです。
ユニティの初期通信システムとNASAの追跡データ中継衛星(TDRS)システムを経由してザーリャ内部のデータをさらに詳細に読みとることが出来るようにするためのコンピュータプログラム修正情報(パッチ)が、近く宇宙ステーションに向けて送信されます。これにより主としてバッテリシステムに関する追加データが新たに得られ、電流、電圧、リセット状態などについてより詳細な状況を把握することができるようになります。
来年早々のサービスモジュール・ズヴェズダの到着に備えて、ステーションの高度を多少高くする作業を来週実施しますが、そのための手順を飛行力学の専門家達が準備しました。ザーリャの制御用スラスタの噴射計画は未だ最終調整中ですが、これにより、ズヴェズダが打ち上げられる前に実施する微調整の噴射は最小限ですむか、全く不要になるものと思われます。
一方地上ではミッションコントロールセンターのソフトウエアの更新作業を実施していますが、これはステーションの運用に影響を及ぼすものではありません。
ISSの状態は良好で、遠地点236マイル(380km)近地点226マイル(363km)の軌道を、1年前の11月20日の打上げ以来5764回以上周回しています。
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