国際宇宙ステーションステータスレポート#99-45
1999年 11月 18日(木)午後 2時(米国中部標準時間)
1999年 11月 19日(金)午前 5時(日本時間)
ヒューストンのミッション・コントロール・センター
モスクワとヒューストンの飛行管制管達は、ザーリャモジュール内のバッテリの2回目の深いサイクリング(徹底した活性化作業(deep-cycling))を開始しましたが、最初のバッテリがうまく放電しなかったので作業を中止しました。この深いサイクリングはバッテリの性能を維持し、寿命を長く保つために半年毎に実施することにしているものです。
バッテリ2は前回の1回目の放電-充電サイクルはうまくいったのですが、今回のサイクルでは放電がうまくいきませんでした。そのため管制官達はこのバッテリを電力系から切り離しました。残りの4基のバッテリで国際宇宙ステーション(ISS)の電力を十分まかなっていますし、ISSは3基のバッテリで運用できますので、問題はありません。
この状況はISSの運用に影響を及ぼすものではありませんが、電力消費を最小限にするためユニティモジュールのヒーターをいくつかオフにしました。ISSは現在最大限に太陽光を浴びていますので、電力や温度の件で問題が発生することはないと見られます。バッテリの問題はバッテリとそれに関連する電子装置に由来するものですが、放電がうまくできなかったことの原因は調査中です。
バッテリ3のサイクル(活性化)作業は昨日実施しましたが、問題なく終了しました。この作業結果の評価と分析を近日中に実施してから、バッテリ4、5、6についての作業を再開するか否かを決めることにしています。今回のバッテリのサイクリング(活性化)では、ロシアの地上局がザーリャのバッテリなどにコマンドを送信する際、ユニティの初期通信システムも補完的に使われました。
一方ISSのマネジャー達は、ISSの高度を高くする(リブースト)手順を検討しています。
リブーストは12月1日の予定ですが、これは来年早々打ち上げる予定のズヴェズダモジュールとランデブするのに適した高度に、ISSを投入するために実施するものです。
ISSはその他のシステムの状況は良好で、遠地点239マイル(385km)近地点225マイル(362km)の高度を周回しています。昨年11月のザーリャの打上げ以来、5686回以上周回しました。
フロリダのケネディ宇宙センターにはISSのバックボーンとなるもう一つの部品が到着しました。左側の、長さ12mのトラスセグメントのひとつが、オクラホマ州のツルサからスーパーグッピー輸送機で運ばれて本日フロリダに到着したのです。これによりKSCには、Z1トラス、最初の太陽電池板、デスティニー実験棟、2つの多目的補給モジュール(レオナルドとラファエロ)、カナダ製のロボットアーム、それに3つのトラスセグメントが揃ったことになります。
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