国際宇宙ステーションステータスレポート#99-42
1999年 10月 28日(木)午後 2時(米国中部夏時間)
1999年 10月 29日(金)午前 4時(日本時間)
ヒューストンのミッション・コントロール・センター
今週火曜日に実施した、国際宇宙ステーション(ISS)とスペースデブリとの接近を回避するための軌道制御に続く後作業は一段落しました。
国際宇宙ステーションの軌道は1.6km程高くなり、スペースデブリから安全な距離が確保されました。実際の追跡データによれば、ペガサスロケットの燃え殻のデブリは水曜日の最接近時にステーションから約140km付近を通過しました。衝突回避策が採られなかったとしますと、このデブリはステーションから約800m付近を通過したことになります。
この軌道制御の噴射によりステーションは、ズヴェズダ・サービスモジュールが到着する前の準備作業として1月に予定している、ランデブのテストで投入しようとしていた軌道よりも、若干高めの軌道に入りました。
カザフスタンのバイコヌール宇宙基地では来年早々の打上げに備えて、ズヴェズダの準備が進んでいます。ズヴェズダを打ち上げるのと同型のロケットが昨日商用衛星の打ち上げに失敗した事故原因は調査中であるとの情報をNASAは入手していますが、この事故が1月のズヴェズダの打上げにどの程度影響するかを推測するのはまだ早いと考えています。
国際宇宙ステーションは現在、ユニティを地球方向にしザーリャを宇宙に向けた正常な姿勢をしています。この状態でステーションはゆっくりと回転し、姿勢制御のための燃料を節約し、全体の温度を均一に保っています。
本日は、モスクワ郊外コロリョフにあるミッションコントロールセンタからユニティの初期通信システムを経由するザーリャへのコマンド送信経路と、ヒューストンのミッションコントロールセンタからザーリャのコンパルスシステムを経由するユニティへのコマンド送信経路を使った定期的な送信試験が行われました。
来週は電力を供給しているザーリャの5基のバッテリ活性化作業を実施します。これは太陽光による充電が効率よく行われるようにするために実施するものです。
その他のシステムの状態は全て良好で、ステーションは遠地点約400km、近地点約370kmの軌道を周回しています。1998年11月のザーリャの打上げ以来、5348周以上軌道を周回しています。
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