国際宇宙ステーションステータスレポート#99-24
1999年7月 1日(木)午後4時(米国中部夏時間)
1999年7月 2日(金)午前6時(日本時間)
ヒューストンのミッション・コントロール・センター
国際宇宙ステーション(ISS)は、ISSが太陽の陰に入った時に、太陽電池に代わって電力を供給する6基のバッテリのひとつに発生した問題点を除けば、良好な状態にあります。
米ロ両国のフライトコントローラ達はバッテリの寿命をなるべく長持ちさせるために年2回実施することになっている、ザーリャの6基のバッテリの深い充放電を開始しました。バッテリNo.6は予定どおり終了したのですが、バッテリNo.1については同じ手順で予定どおりの深さの放電をすることができませんでした。
これはISSの各部における電力消費の問題ではありませんが、搭載バッテリの寿命の問題です。通常はバッテリはおよそ5年毎に定期的に交換することになっています。現在残りのバッテリの放電にかかるのを中止して、バッテリNo.1の「慣らし(training)」を実施する手順を検討しているところです。
ISSの現在のシステムは、電力消費を厳格に管理すれば3基のバッテリで運用することができます。これは家庭で使用していない電灯、ファン、器具等の電源を落とすのと同じです。バッテリの慣らしは、誰もが携帯電話やコードレスの器具について行うのと同じことです。
この手順は各バッテリについて半年に1回行うことになっているもので、ザーリャのバッテリに適用するのは今回が初めてです。この次にこれを実施するのは11月に予定されているズヴェズダ・サービス・モジュールが到着した後になります。
さて、地上では40フィート(約12m)の長さのトラスセグメントの試験用モデルのひとつがジョンソン宇宙センターに到着しました。これを使用して音響振動試験を実施します。この試験により、宇宙に実際に運ばれる機材への打ち上げ時の影響を評価するわけです。試験は夏から秋に掛けて実施される予定です。
一方、スペースデブリが接近する可能性があるときのISSの軌道変更の方針や手順に関する検討も継続しています。これは先日ロシアのロケットの上段の燃え殻が接近すると予測されたケースに対応するものです。デブリは結局ISSから7kmのところを通過しました。
この手順の検討は継続してはいますが、マネジャー達はISSの軌道変更に備えて、ISSへ送信する1連の指令を前もって用意しておくという方法を選択しました。これにより、このフライトアサインメントと呼ばれる1連の指令を準備する時間が節約できるというわけです。
これにより、ISSの姿勢を変更しなければならないようなケースにも素早く対応することができます。
ISSの姿勢は以前と同じで、ユニティを地球に、そしてザーリャを宇宙に向けています。軸回りにゆっくりと回転し、燃料消費を押さえ、外壁の温度を均一に保ようにしています。
この次のシャトルによるISSへのフライトは11月のズヴェズダ居住モジュールが打上げられ、ISSにドッキングしチェックが完了したあとの12月になる予定です。
ISSは遠地点257マイル(約417km)近地点237マイル(約381km)の軌道を、約92分で周回しています。打上げ以来すでに地球を3,486周しています。夜明けや夕刻に頭上を通過する際、地上から容易に目視することができます。
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