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第14次長期滞在クルー
2007年3月23日(金) 午後3時30分(米国中部夏時間)
2007年3月24日(土) 午前5時30分(日本時間)
今週、第14次長期滞在クルーは、科学実験と国際宇宙ステーション(ISS)のコンピュータ・ネットワーク能力の増強作業を引き続き行いました。
コマンダーのマイケル・ロペズ-アレグリアとフライトエンジニアのサニータ・ウィリアムズは、今後NASAが月や火星への有人ミッションを行うにあたり、長期間に及ぶ宇宙飛行の多くの局面で重要な意味を持つ可能性がある実験を行いました。
ふたりは交代で実験装置の操作担当者と被験者を務め、宇宙飛行士の中枢神経系へ長期間の飛行が与える影響(Anomalous Long Term Effects in Astronauts' Central Nervous System: ALTEA)実験を実施しました。これは宇宙線が脳波に与える影響を調べる実験です。被験者は、脳の活動を測定するための脳波計が付けられたキャップを装着し、その上から、ISS内を通り抜ける宇宙線の種類と量を計測するための計測器が取り付けられたイタリアが設計した特製のヘルメットをかぶりました。地球から離れるにつれて、宇宙放射線の量はより増大するため、この実験は今後の宇宙飛行士の安全と生産性を向上させるために重要な対策方法の開発につながることが期待されています。
ロペズ-アレグリアとウィリアムズは、栄養状態の評価(Nutritional Status Assessment: Nutrition)実験も実施しました。この実験は宇宙で人体がどのように栄養素を処理するか、宇宙環境で保存された食品の摂取によりどのような影響を受けるかなどを調べるものです。
また、ロペズ-アレグリアは、宇宙飛行中の腎臓結石実験(Renal Stone experiment)に関する最後のサンプル採取を行いました。この実験は、地上で使われる腎臓結石の薬の宇宙での有効性を調べる実験です。フライトエンジニアのミハイル・チューリンは、長期宇宙飛行に関連する宇宙線や宇宙背景放射を測定するロシアの3つの実験を行いました。また、チューリンはISS独自の見晴らしの良さを利用して地表の状態を記録するために写真を撮影しました。
クルーは、ISS内のラップトップ・コンビュータのネットワークを改良する作業も行いました。この新しい統合ネットワークは、現在の10倍の速度で通信が可能で、ルータを介して有線・無線のイーサネット接続を行うことができます。このシステムにより、米国のセグメントからロシアのセグメントへとケーブルを敷設する必要がなくなります。この作業はSTS-117ミッションの打上げ延期によって、前倒しになりました。
さらにクルーは、プログレス補給船(23P)の分離・投棄に向けた準備を引き続き行いました。3月27日に分離するまでに、内部は不要となった物資で一杯にされる予定です。3月23日、ロシアの飛行管制官は、プログレス補給船(23P)に残っている酸素をすべてISSに供給するコマンドを送信し、安全に出発できるようにするために配管内に残っていた推進剤と酸化剤を船外に放出しました。プログレス補給船(23P)は、米国中部夏時間3月27日午後1時11分(日本時間3月28日午前3時 11分)に分離される予定です。
ISSのドッキングポートの使用スケジュールは、3月29日に現在「ザーリャ」(基本機能モジュール)の地球側ポートにドッキングしているソユーズTMA-9宇宙船(13S)を「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)の後方ポートへ移動させる予定となっています。3人のクルー全員がソユーズTMA-9宇宙船(13S)に乗り込み、3月29日午後5時25分(同3月30日午前7時25 分)にISSから分離し、3月29日午後5時53分(同3月30日午前7時53分)に再びISSにドッキングする予定です。この移動により、第15次長期滞在クルーと米国人宇宙旅行者チャールズ・シモニー氏を乗せたソユーズTMA-10宇宙船(14S)がドッキングするための場所が空くことになります。新しい長期滞在クルーは、4月7日午後0時31分(同4月8日午前2時31分)に、カザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、4月9日午後2時15分(同4月10日午前4時15分)にISSにドッキングする予定です。
ソユーズ宇宙船(14S)がドッキングし、一週間共同で運用を行った後、ロペズ-アレグリアとチューリン、そしてシモニー氏は、ソユーズTMA-9宇宙船(13S)に乗り込み、4月20日に ISSを離れて帰還します。ISSには、ウィリアムズとともにコマンダーのフョードル・ユールチキンとフライトエンジニアのオレッグ・コトフが残り、第 15次長期滞在が開始されます。
ISSクルーの活動状況、また各地域でのISSの可視状況などについてはhttp://www.nasa.gov/stationをご覧ください。
出典:International Space Station Status Report #07-15(NASA)
*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。
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