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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #04-32
第9次長期滞在クルー 国際宇宙ステーション(ISS)外部の故障した電力ブレーカを交換する船外活動は、NASAサイエンスオフィサーでありフライトエンジニアのマイケル・フィンクが着用したロシア製のオーラン宇宙服の主酸素タンクが予想以上に速く減圧したため、中止されました。 フィンクの宇宙服全体の圧力はその間安定した状態を保ち、彼が危険にさらされることはありませんでした。宇宙服に取り付けられていたバックアップ用の酸素タンクを使う必要もありませんでした。 第9次長期滞在クルー(コマンダーのゲナディ・パダルカとフィンク)は、「ピアース」(ロシアのドッキング室)のハッチを米国中部夏時間6月24日午後4時56分(日本時間6月25日午前6時56分)に開けました。フィンクがピアースから出た直後、モスクワのフライトコントローラたちはフィンクの宇宙服の主酸素タンクが減圧していることを確認しました。 ふたりはピアースに戻り、およそ14分後にハッチを閉めました。最初のトラブルシューティングを実施した後、パダルカとフィンクはオーラン宇宙服を移動させ、フィンクが着用していた宇宙服のトラブルシューティングを支援するよう指示されました。ロシアのフライトコントローラたちは不具合の原因をただちに突き止めることはできませんでした。 その後フィンクとパダルカは宇宙服を脱ぎ、ISSの居住区まで戻り、フライトコントローラたちとともにISSのシステムを通常運用の設定に戻す作業を行いました。フィンクとパダルカが船外活動を行った時間は14分22秒でした。 ヒューストンとモスクワのミッションマネージャたちは、船外活動の新たな日程を設定する前に、今回の問題をさらに評価することで合意しました。現在のところ、船外活動の実施日はロシアの地上局とISSとの通信範囲を考慮して、6月29日以降とされています。 フィンクはモスクワのフライトコントローラたちが酸素タンクの問題にすぐに気づいたことに満足していることを伝え、両コントロールチームへの取り組みに対して感謝を述べました。また、彼は、明日は遅くまで寝て、船外活動の再開に備えるときまで通常の睡眠スケジュールに戻すことを伝えました。 今回の船外活動の目的は、遠隔電力制御モジュール(Remote Power Controller Module: RPCM)を交換することです。コントロール・モーメント・ジャイロ(Control Moment Gyroscopes: CMG)の1基に電力を供給するRPCM内の電力ブレーカが故障しています。 ISSのZ1トラスには4基のCMGが取り付けられています。CMGは宇宙空間でのISSの姿勢を制御しています。CMG-1は2年程前に故障し、次のスペースシャトルミッションで交換される予定です。CMG-2は4月21日の電力ブレーカの故障によって電力を断たれ、RPCMの交換による復旧が必要です。この間、機能している2基のCMGによってISSの姿勢は十分に制御されています。 ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日、また各地域でのISSの可視状況などについてはhttp://spaceflight.nasa.gov/をご覧ください。 ISSでの科学実験の模様については、アラバマ州ハンツビルのNASAマーシャル宇宙飛行センターのペイロード運用センターのサイトhttp://scipoc.msfc.nasa.gov/をご覧ください。 次回のISSステータスレポートは、何かイベントがあればその時に発行する予定です。
*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。 最終更新日:2004年6月25日
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